人文社会学部トレーナー・スポーツ経営コースの教員が筑波大学体育系と共同研究を行い、ラグビー選手の膝関節外傷リスク因子を特定しました。
2025年度

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2025.10.17人文社会学部トレーナー・スポーツ経営コースの教員が筑波大学体育系と共同研究を行い、ラグビー選手の膝関節外傷リスク因子を特定しました。

人文社会学部トレーナー・スポーツ経営コース 大垣 亮 准教授が、筑波大学 体育系 中田 由夫 教授、スポーツ医学学位プログラム 3年制 博士課程3年 小倉 彩音さんと共に、ラグビー選手の身体パフォーマンスを事前に定量化し、その後発生する膝関節外傷のリスク因子を検討しました。その結果、股関節内旋最大筋力の対称性の高さと股関節伸展最大筋力の高さが膝関節外傷のリスク因子として特定されました。

 

研究の概要

ラグビーでは、重篤なけがの一つに膝関節外傷があります。その予防策を講じる上で、競技中のどのような身体パフォーマンス(身体接触、筋力、バランスなど)が、重症度の高い膝関節外傷に影響を及ぼすかを明らかにすることが重要です。本研究では、これまで報告されてきた横断的なパフォーマンス評価のみならず、定量的パフォーマンスデータと疫学的外傷調査を用いて縦断的に膝関節外傷のリスク因子を検討しました。

男子大学ラグビー選手79人について、2023年の1シーズンにわたり調査を行いました。プレシーズンにパフォーマンステストとして、筋力、バランス、動作エラーに関するベースラインデータを測定するとともに、全期間で記録された外傷データに基づいて、対象期間中の外傷の発生率、重症度、外傷による負担、受傷メカニズムについて評価したところ、58人がリスク因子の調査対象となり、15件の膝関節外傷(13人:うち2人が2回受傷)が特定されました。分析の結果、直接的な身体接触による受傷が、高い重症度および負担と関連していました。また、股関節内旋最大筋力の対称性の高さと、股関節伸展最大筋力の高さが、膝関節外傷のリスク因子となりうることが明らかとなりました。

本研究成果は、日々のパフォーマンスやコンディション管理の重要性を支持し、外傷予防およびリハビリテーションの指標となると期待されます。