健康科学研究科 臨床心理学専攻(博士課程)
臨床心理学実践と研究の発展に貢献できる
臨床心理学者を養成します
臨床心理学専攻(博士課程)
本専攻では、本学の建学の精神である「実学の精神」に則り、臨床心理学の実践方法の開発・発展に寄与する研究課題について、高い倫理観と旺盛な探求心を持ち、科学的で実証的な視点から問題解明に取り組み、有意義な研究成果を上げるとともに、臨床活動の専門性を高め、将来臨床心理学領域の指導者として活躍できる臨床心理学の専門家を養成することを目的としています。
博士課程に応募するためには、大学院修士課程修了程度の学力を有し、臨床心理学の高度専門職業人として認められる実践能力と実績を有することが条件になります。これらの方のうち、①人と心に対する深い理解力とともに臨床心理学の実践方法を改善しようとする問題意識を持ち、②臨床心理領域における科学的検討の方法論を身につけることに意欲を持ち、③心理的問題を抱える人々への支援方法の改善を通して社会への貢献を希望する方を求めています。
博士課程では、臨床心理の専門家としての知識や理論の修得と、人間の心に関わる幅広い問題に対して真摯に研鑽を積み、将来、独立した研究者あるいは臨床心理領域の指導者として活躍できる専門家を養成するため、体系的で専門的なカリキュラムを組んで教育を実施しています。
専攻長からのメッセージ
心理の世界を探求し臨床研究の発展に貢献できる研究者を養成します
近年、我が国では様々な領域で心の問題が発生し、臨床心理の立場からの問題解明や支援が求められています。学校ではいじめ、家庭では虐待やDV、職場では様々な人間関係が問題となり、地域では引きこもりや孤立の問題があります。以前の日本社会に備わっていた家族や地域の支援力が弱まる中で、現代人の孤立化と生きづらさが進行していると言えるのではないでしょうか。こうした中で臨床心理学の役割はますます大きくなっています。
本専攻は、高度専門職業人としての実践経験を持つ方が、さらに深く臨床心理学を学び、臨床心理学の実践方法の開発・発展に寄与する課題を研究するために設けられました。臨床心理学の実践の中から生じた問題意識を発展させ、研究を企画し推進していく意欲のある方々が本専攻で学ばれることを期待します。
特色
心理臨床の幅広い領域を学び、問題を実証的に捉えて研究する能力を養成します
本専攻では、臨床心理の専門家としての知識や理論を修得し、人間の心に関わる幅広い問題に対して真摯に研鑽を積み、将来、独立した研究者あるいは臨床心理領域の指導者として活躍できる専門家を養成します。そのため、精神医学や脳・神経科学はもとより、基礎心理学や人間を取り巻く様々な問題に取り組み、問題を実証的に捉えて研究していけるようなカリキュラムを組んでいます。
現代的な問題に積極的に関わり、未来への展望を切り開く指導的人材を養成します
東京都豊島区という都市部にある大学院として、都市が直面する様々な現代的課題に積極的に関わり、現代社会と地域に根差した実学的な研究を進められるように指導していきます。
課程修了の認定及び学位
課程 | 博士 |
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在学期間 | 3年以上6年以下 |
修得単位及び条件 |
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学位 | 博士(健康科学) |
教育研究及び担当教員
産業メンタルヘルス
教授 博士(人間科学) 馬場 洋介
産業・労働領域におけるメンタルヘルスに関するアセスメントや面接方法、多職種連携の方法等を幅広く修得し、働く個人と職場環境を広い視野で捉え、メンタルヘルス問題に対する複合的な視点で柔軟に対応していく方法を修得します。そして、これらの産業メンタルヘルスの実践活動について、研究活動を行い、その成果として学会および論文発表を目標とします。
臨床心理学面接法
教授 博士(保健学) 長田 洋和
臨床心理学における様々なアセスメントの方法や面接法・治療法を学修し、これらを来談者がかかえる課題やニーズに対応して柔軟に適用していく方法を学びます。臨床活動や、ケースカンファレンスへの参加・スーパービジョンなどにより、来談者の意向や希望を尊重しつつ適切にアセスメントを行い、計画的に介入・支援を行い、その結果を自ら客観的に評価してその後の臨床活動の改善に活かすことの出来る能力を養成します。
臨床心理学
教授 博士(医学) 管 心
臨床心理センターでの臨床活動やケースカンファレンス参加を基に、面接、アセスメント、質問紙等を用いて、観察研究、介入研究、事例研究を行います。研究倫理指針を遵守しながら科学的手法に則った研究活動を行い、成果として学会および論文発表を目標とします。
授業科目の概要
授業科目の名称 | 講義等の内容 |
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臨床心理学特講 | 臨床心理の専門家が関与する3つの主要領域(教育、医療、地域)における研究知識を修得するために、論文を用いたディスカッション中心の学修を行う。前半は3つの主要領域における最近のトピックスとなる論文を読み、次にそれぞれの領域での研究をレビューし課題を見出す。後半は研究法(面接、質問紙、事例)ごとのアプローチの違いを学び、次に近接領域への展開が含まれる研究を取り上げ、研究意義や社会貢献に関して学ぶ。 |
臨床心理学面接特講 | 臨床心理学における様々なアセスメントの方法や面接法・治療法を学修し、これらを来談者がかかえる課題やニーズに対応して柔軟に適用していく方法を学ぶ。臨床活動や、ケースカンファレンスへの参加・スーパービジョンなどにより、来談者の意向や希望を尊重しつつ適切にアセスメントを行い、計画的に介入・支援を行い、その結果を自ら客観的に評価してその後の臨床活動の改善に活かすことの出来る能力を養成する。 |
認知・行動心理学特講 | 認知−行動に関する理論を中心に、学習理論、応用行動分析、情報処理理論などについて体系的に学修する。これらの理論についての基本的な論文や書籍を読み、認知行動学の考え方を身に付けるとともに、どのように臨床心理学に活用されているかを学ぶことを目的とする。 |
認知情報システム特講 | 感覚・知覚、共感、コミュニケーションに関わる人間の基本的な認知過程について学修する。次に心理学の実践において、最近の情報通信技術がどのように活かされているかを大まかなテーマ、領域に沿って学ぶ。最終的に現状の問題と将来の展望について議論する。 |