公認心理師
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公認心理師

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この職業について

公認心理師は、公認心理師法により定められた資格で、臨床心理士と同様に臨床心理学に基づいた知識や技法を用いて相談者やその家族のサポートを行います。臨床心理師の資格を取るためには、大学で臨床心理学を学んだうえで、公認心理師養成に対応する大学院で学ぶか、公認心理師法第7条第2号に規定する認定施設(※)で一定期間実務経験を積み、資格試験を受けて合格することが求められます。資格取得後は、公認心理師として、医療、教育、福祉、産業、司法の領域で、心の健康問題に対し、多くの関係者とも連携しながら心理支援を行うことが求められています。
※一定の条件を満たす必要があります。

必要な資格

  • 公認心理師

目指せる学部・学科・コース

このページに記載されている内容の監修者

荘島 幸子 准教授

健康メディカル学部 心理学科 准教授。
京都大学大学院教育学研究科 博士課程修了。博士(教育学)。
専門は臨床心理学、生涯発達心理学。研究テーマは、性的マイノリティ者の発達過程、自殺予防教育など。

島津 直実 講師

健康メディカル学部 心理学科 講師。
早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程(単位取得退学)。博士(文学)。
専門は臨床心理学、臨床発達心理学。研究テーマは認知行動療法、反応スタイル、抑うつ予防など。

公認心理師とは

公認心理師は2015年9月9日に公認心理師法が成立し、2017年9月15日に施行されたことをもって心理職としては国内初となる国家資格「公認心理師」が誕生しました。

公認心理師は、公認心理師法により定められた資格で、臨床心理士と同様に臨床心理学に基づいた知識や技法を用いて相談者やその家族のサポートを行います。臨床心理師の資格を取るためには、大学で臨床心理学を学んだうえで、公認心理師養成に対応する大学院で学ぶか、公認心理師法第7条第2号に規定する認定施設(※)で一定期間実務経験を積み、資格試験を受けて合格することが求められます。資格取得後は、公認心理師として、医療、教育、福祉、産業、司法の領域で、心の健康問題に対し、多くの関係者とも連携しながら心理支援を行うことが求められています。

※厚生労働省のHPに掲載された認定施設一覧

公認心理師の仕事内容

公認心理師は、臨床心理学に基づいた知識や技法を用いて心の問題を抱える相談者に対して相談や助言などの援助を行う仕事です。具体的な仕事内容は、公認心理師法で以下のように定義されています。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

  1. 心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
  2. 心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
  3. 心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
  4. 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
引用:公認心理師 厚生労働省

それぞれの仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

1.心理状態の観察、その結果の分析(心理アセスメント)

面接や観察、さまざまな心理検査を通して、相談者の心理状態を把握します。単に心理検査を行うのではなく、相談者が抱えている問題の所在はどこなのか、その問題はどうすれば対処できるのかを考えながら、相談者の理解に努めます。

2.心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

心理アセスメントの結果を基に、さまざまな心理療法から適切な方法を選択し、相談者にあった心理支援を行います。心理療法は公認心理師などの専門家と対話(カウンセリング)を行い、相談者の抱える問題を紐解きます。代表的な療法に「精神分析的心理療法」や、「認知行動療法」、そして「マインドフルネス」などがあります。

3.関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

相談者の抱える問題によっては、関係者に対して面接や援助を行うことがあります。例えば、相談者との接し方がわからないと感じている関係者には「心理教育」を行い、相談者の状態や関わり方について学んだり、関わるうえでの悩みや不安に対して相談援助を行ったりします。

4.教育及び情報の提供

公認心理師は、相談者の心の問題のケアをするだけでなく、メンタルヘルス(心の健康)に関する情報発信も行います。例えば、ストレスの解消法や良好な人間関係を築くための方法などを提供し、心の健康問題を未然に防ぐことも、公認心理師の仕事の一つです。

公認心理師の仕事に求められる経験・スキル

公認心理師は、相談者の心の問題と向き合い、その回復をサポートする仕事です。単に心理アセスメントや心理療法を行うのではなく、相談者と一緒に問題を克服する伴走者の役目を担います。そのため、次のような経験・スキルが公認心理師に求められます。

活かせる経験・スキル
  • 相談者の悩みを理解しようとする想像力
  • 冷静な判断力
  • 高い倫理観

相談者の悩みを理解しようとする想像力

心の問題は相談者自身も言葉でうまく説明できないこともしばしば。そうした際、相談者の言葉を注意深く聞き、話ぶりや振る舞いから、相談者の抱えている悩みを紐解きます。心の問題は決まった答えがないため、どうすれば問題が解決するのかと、相談者の悩みを理解しようとする想像力が必要です。

冷静な判断力

心の問題で冷静さを失った相談者は、感情をコントロールできず、怒りや悲しみを公認心理師に向けてくる場合があります。そうした際、公認心理師は冷静さを失うことなく、穏やかに話を聞き、解決に導く判断力が求められます。また、相談者に寄り添うあまり、感情移入しすぎると、判断力が鈍ることもあるため、一歩引いた目線で、客観的に物事を理解する能力も重要です。

高い倫理観

公認心理師は、公認心理師法第14条で「秘密保持義務」が定められています。公認心理師の仕事では、カウンセリングを通して相談者のプライベーな情報にも踏み込むことが多いため、そうした内容を外部に漏らさないような高い倫理観が求められます。

公認心理師になるには

公認心理師になるには国家試験を受験し、合格する必要があります。

国家試験の受験には、4年制大学で指定科目を履修したあと、大学院で指定科目を履修するか、指定の施設で2年以上の実務経験を積むことが求められます。また、経過措置として2017年9月15日以前に大学院で指定科目を履修済み(または履修中)や、心理職として実務経験があり、2022年9月までに5年間の実務経験があり現任者講習会を修了している場合は受験資格が認められます。

公認心理師の就職先

国家試験に合格した公認心理師は、医療・福祉・教育現場でカウンセラーとして働きます。そのほか、企業の産業カウンセラーや、少年院や刑務所で受刑者のカウンセリングを行うケースもあります。心の問題は年代、立場を問わず、誰もが抱えているため、今後公認心理師が求められる場面が増えていくと考えられています。

公認心理師をめざしたい方へ

本校では、健康メディカル学部 心理学科で公認心理師を目指すことができます。
オープンキャンパスへのお申込みや資料請求も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。