健康医療スポーツ学部 柔道整復学科の教員が秋田大学 大学院医学系研究科と共同研究を行ったメンタルヘルスに関する学術論文が、国際誌『BMC Public Health』に掲載されました。
2024年度

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2024.05.29健康医療スポーツ学部 柔道整復学科の教員が秋田大学 大学院医学系研究科と共同研究を行ったメンタルヘルスに関する学術論文が、国際誌『BMC Public Health』に掲載されました。

健康医療スポーツ学部 柔道整復学科 小野澤 大輔 教授、健康医療スポーツ学部 柔道整復学科 森川 由基 講師、森川 梢 非常勤講師が、秋⽥⼤学 野村 恭⼦ 教授(帝京大学 医学部 客員教授)らの研究グループと共同で⾏った、希死・自殺念慮のリスク因子と予防因子に関する研究が、国際誌「BMC Public Health」に掲載されました。

 

【以下、国際誌「BMC Public Health」に掲載された内容の概要】

警察庁の統計によると、令和4年の自殺者数は21,881人で、OECD 諸国でも高い水準が続いている。これまで自殺予防は集団に焦点が当てられてきたが、個人へのアプローチも重要であり、様々な希求行動のひとつとして接骨院を訪れる患者を必要な支援に繋ぐ「ゲートキーパー」としての役割を柔道整復師が担うこともある。

秋田大学の研究グループと共同で、秋田県A町の20歳以上の住民1844名を対象に、過去1ヵ月間の自殺念慮に関する調査を行い、人間関係問題(HRP)、健康問題(HP)、経済問題(FP)の問題を伴うモデル、全体的なモデルにおいて検討したところ、それぞれの問題ごとにリスクファクターと予防的因子について特徴的な結果が得られた。さらに、自殺念慮を持つ218名のうち、人間関係(n=104)、健康(n=112)、経済(n=72)に問題を抱えていることに着目し、それぞれの原因別に自殺念慮のリスクと予防因子について分析した。

その結果、自殺念慮のリスクになる因子は、全体では「抑うつ傾向」、「女性」、「現在喫煙」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」、「家族に相談できるひとがいない」、人間関係に問題をもつ人においては「抑うつ傾向」、「家族に相談できるひとがいない」、健康問題を持つ人においては、「抑うつ傾向」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」、経済的に問題を抱える人においては「抑うつ傾向」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」「助けを求める人が誰もいない」であった。一方、予防因子は全てのモデルに共通して、「楽観主義」であり、人間関係に問題のある人では、70歳以上になると、むしろ、自殺念慮のリスクが低くなった。これらの結果から、自殺対策における、原因別アプローチの有用性が確認できた。

 

Sociodemographic and environmental characteristics associated with thoughts of death and suicidal ideation in community-dwelling residents of a rural town in Japan: Analyses from a perspective of accompanying problems.

Morikawa K, Nomura K, Onozawa D, Sasaki H, Morikawa Y.

森川 由基 講師(左)
森川 梢 非常勤講師(真中)
小野澤 大輔 教授(右)