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人文社会学部の卒業生が米国のアスレティックトレーナー資格(ATC®)を取得し、在学中に実施した研究が国際学術誌「Sport Sciences for Health」に掲載されました。
2026年度

ニュース

2026.09.09人文社会学部の卒業生が米国のアスレティックトレーナー資格(ATC®)を取得し、在学中に実施した研究が国際学術誌「Sport Sciences for Health」に掲載されました。

人文社会学部 (旧:現代ライフ学部) 経営学科 トレーナー・スポーツ経営コースを2021年度に卒業した村山 未来さんを筆頭著者、同学部の田邊 弘祐 講師を責任著者とする原著論文「Current depressive symptoms, but not lifetime sport-related concussion exposure, are associated with subjective sleep quality in collegiate rugby players: a multimodal cross-sectional study」が健康・スポーツ科学分野の国際誌である「Sport Sciences for Health(2025 5-Year Impact Factor: 1.4)」に掲載されました。

本論文は、村山さんが在学中に取り組んだ卒業研究の内容をまとめたものです。講義やアスレティックトレーナーの現場実習、デンバー研修など、本学での様々な学びや経験から生まれた疑問を研究へと発展させ、その成果が国際的にも高く評価されたことを示しています。

村山さんは本学を卒業後、ウィノナ州立大学大学院のアスレティックトレーニング専攻(修士課程)にて、目標としていた米国のBoard of Certification(BOC)が認定するアスレティックトレーナー資格(ATC®)を取得しました。

現在は、Seward County Community Collegeでアシスタントアスレティックトレーナーを務めており、現場での実務経験と高い専門性および科学的な知見を有するアスレティックトレーナーとして、国際的な活躍が大いに期待されます。

【以下、国際誌「Sport Sciences for Health(2025 5-Year Impact Factor: 1.4)」に掲載された内容の概要】

男子大学ラグビー選手23名を対象に、これまでに経験したスポーツに関連する脳振盪(Sport-Related Concussion:SRC)と現在の睡眠状況との関連を調査しました。脳振盪は、医療機関で診断されたものだけでなく、脳振盪が疑われたものも含めて評価しました。睡眠状況は、質問紙を用いた主観的な「睡眠の質」や「睡眠習慣」の評価に加え、睡眠計を用いた客観的な測定を7日間実施しました。さらに、現在の抑うつ症状についても調査し、脳振盪、睡眠、心理状態の関係を多角的に検討しました。

「本研究の成果」

1.脳振盪の回数と現在の睡眠状況との間に、明確な関連は認められなかった。

質問紙調査の結果では、過去に経験した脳振盪の回数(診断と疑いの合計)が多い選手ほど、睡眠の時間帯が遅いという結果が得られました。しかしながら、さらに詳しく分析したところ、脳振盪の回数が最も多い1名の選手のデータに強く影響されていることも明らかになりました。一方、脳振盪の回数と睡眠の質や日中の眠気、睡眠計で測定した客観的な睡眠状況などとの関連は認められませんでした。
 

2.「睡眠の質」には、脳振盪の回数よりも現在の抑うつ症状が関連していた。

一方、主観的な「睡眠の質」は、脳振盪の回数ではなく、現在の抑うつ症状の程度と関連していることが明らかとなりました。この結果は、アスリートが睡眠の不調を訴えた際には、過去に経験した脳振盪の回数だけでなく、現在の心理状態にも目を向けることの重要性を示しています。
 

3.睡眠は「本人の主観的な感覚」と「客観的な測定」の両方から評価することが重要である。

本研究では、質問紙(主観的な睡眠)と睡眠計(客観的な睡眠)の両方を用いたことにより、本人が回答した睡眠の時刻と実際に測定された睡眠の時刻が大きく異なる場合があることを確認できました。自己申告による主観的な睡眠状況と睡眠計から得られる客観的な測定値は、必ずしも一致するとは限りません。アスリートの睡眠状況をより正確に把握するためには、質問紙による主観的な評価だけでなく、睡眠計による客観的な測定も併せて評価することの重要性を示しています。
 

「健康・スポーツ科学の分野における応用可能性」

スポーツ現場では、過去に脳振盪を経験したアスリートが睡眠の不調を訴えることがあります。本研究の結果は、このようなアスリートに対して、過去に経験した脳振盪の回数だけでなく、現在の心理状態も含めて多角的に評価することが重要であることを示しています。その結果、より適切なコンディショニングや健康支援に寄与する可能性があります。

※2027年度よりスポーツ経営・トレーナーコースへ名称変更予定

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