sdgs-hero
多岐にわたる専門性を必要とする「視覚障害児教育」を次世代に伝えるために
2021/12/21
児童学科
小学校・特別支援コース

多岐にわたる専門性を必要とする
「視覚障害児教育」を次世代に伝えるために

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに

社会に求められる合理的配慮に対応できる教育者の育成

私は小学校・特別支援コースにおいて、「点字と歩行指導」、「視覚障害の心理・生理・病理」、「障害児教育課程論」、「障害児教育実習」、「教職実践演習(特別支援教育)」などの授業を担当し、主に「視覚障害のある児童生徒のための教科書デジタルデータの活用」に関する研究に取り組んでいます。

2016年4月に「障害者差別解消法」が施行されました。この法律は、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会をつくる事を目指すというもの。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律であり、学校などにおいては当事者の求めに応じて「合理的配慮」(障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特性や場面ごとに発生する困難さを取り除くために個別の調整や変更を行うこと)を提供する必要性が高まっています。こうした状況下では、視覚特別支援学校等で使用される教科書や教材の配慮など、多岐にわたる専門性が必要となるのです。現在、各学校における合理的配慮の提供に対応できる教育者を育成するべく、これから学校現場に出ていく教職志望の学生に対して、視覚障害教育に関する専門的な学修内容を指導しています。

また、海外日本人学校における特別支援教育についての研究にも取り組んでいます。文部科学省や海外子女教育振興財団等の関係機関と連携し、世界各地にある日本人学校における特別支援教育の現状について調査し、支援策などについての研究を行うことで、日本人学校における特別支援教育が充実するよう努めています。

田中 良広

人文社会学部 児童学科 小学校・特別支援コース 教授。筑波大学大学院修了。修士(教育学)。特別支援教育を研究分野とし、「視覚障害教育」、「日本人学校支援」を主な研究項目とする。近年の研究課題には「視覚障害のある児童生徒のための教科書デジタルデータの活用及びデジタル教科書の在り方に関する研究」などがある。

  • 帝京平成大学
  • SDGsロゴ