- 2021/12/21
- 理学療法学科
豊島区の高齢者関連事業に参画し、
健康的な生活の確保と福祉を推進
都市部における一人暮らし高齢者の生活支援を考える
東京都豊島区の高齢者割合は19.8%(2020年)。そのうち一人暮らしは33.8%(2015年)と高い割合となっています。そのため、都市部においていかに高齢者の生活を支えていくかが重要な課題となっています。
豊島区では2018年8月1日~2021年3月31日に「選択的介護モデル事業」を実施、私はこの事業の有識者委員を務め、介護保険制度に新たなサービスを加えたサポート体制の検討を行いました。地域包括ケアシステムの構築に向けては、介護保険サービスだけでなく、保険外サービス等も活用して、高齢者の生活をトータルで支援していく仕組みが必要です。本モデル事業の実施によって、利用者及び家族の利便性が向上すること、ケアの効率や質的向上に資することなど、成果を確認することができました。2021年度からは、豊島区介護保険事業計画推進会議委員を務めております。今後も、一人暮らし高齢者にとってどのような支援を行うことが望ましいのか、様々な視点から考えていきたいと思います。
また、介護予防・日常生活支援総合事業のうち、訪問・通所事業に理学療法士として関わると共に、女性の健康に関わる尿失禁対策講座を担当しています。アメリカなどでは認められている尿失禁等骨盤底筋の機能不全への理学療法介入は、日本の診療報酬では認められていません。まずは可能である介護予防事業から健康支援を行っていますが、今後は産後の女性に対する支援も行いたいと考えています。
知脇 希
健康メディカル学部 理学療法学科 准教授。リハビリテーション科学(理学療法学)、ジェンダー(経済・労働)を研究分野とする。理学療法士・介護支援専門員の資格を有し、訪問看護ステーションにおける勤務経験もあることから、日常生活の支援・地域理学療法などの授業を担当。現在は、尿失禁講座後の症状の変化を調査している。