A. 「失語症・高次脳機能障害」という名前の講義が2年生と3年生にいくつかあります。人間の大脳皮質は記憶、注意、言語など様々な機能をもっています。脳の表面に精巧なコンピュータがところ狭しと並んでいるイメージです。ところが脳出血や脳梗塞などによってそのコンピュータが壊れてしまうことがあります。これを高次脳機能障害と呼んでいます。失語症はその代表的なもので言葉を話したり、人から聞いた言葉を理解したりすることができなくなってしまう障害です。この授業は4つの講義と演習・実習から構成されていていて、脳の機能、障害発症のメカニズム、症状や評価の方法、そしてリハビリテーションの技法を順に学んでいきます。
帝京平成大学を知ろう!
健康メディカル学部 言語聴覚学科
Q. 言語聴覚学科の特徴・雰囲気を教えてください
A. 言語聴覚士になりたいという明確な希望をもった真面目で勤勉な学生が多い学科です。男女比としては女子学生が7割ぐらいになります。教員は脳神経内科医1名のほかは全員10年以上の臨床経験をもつ言語聴覚士であり,現場で役立つ実践的な指導をしています。特にクラスを4分割して少人数での演習・実習を行っている点が特徴的です。言語聴覚士として必要となる検査法や訓練法について,手取り足取りじっくり指導しています。
Q. おすすめの授業を教えてください
Q. こういう学生と一緒に学びたい!
A. 世の中のさまざまな人や物事に興味・関心を持ち、探究心をもっている学生が理想です。言語聴覚療法の対象となる方はコミュニケーションの手段が突然奪われ、苦しい思いをされている方たちです。例えば脳出血や脳梗塞で入院されている方たちは高齢者が中心ですが、一方交通事故やスノーボードの事故などで来られているのは10代、20代の若い方たちです。言語聴覚士はこのような年代も性別も人生経験も様々な方たちと接する仕事です。コミュニケーションは自発的な行為です。ご本人がもう一度自由に人と話したいと思えるようになることがリハビリテーションの第一歩になります。言語聴覚士はそう思って頂くきっかけを作れるような魅力的な人間であってほしいと思います。
Q. 取得可能資格の特徴と将来の就職先を教えてください。
A. 言語聴覚士は子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人とコミュニケーションを取る仕事です。医療寄りの職種ではありますが,心理学や言語学,音声学などのいわゆる文系の領域に興味のある人にとってもその知識を活かして働くことが出来る職種です。就職先はリハビリテーション病院などの医療機関が最も多いですが,小児の療育施設や高齢者の介護施設など,また訪問など地域で働く場も増えつつあります。
Q. 実習では具体的にどのようなことを行うのですか?
A. 2年生,3年生では学内での演習・実習を通して評価法や訓練法について学びます。外部実習は3年生の夏休みに見学実習(1日)、春休みには、評価を中心とした臨床実習Ⅰ(4週間)、4年生では一連の言語聴覚士の職務を経験する臨床実習Ⅱ(8週間)と段階的に学びます。言語聴覚士の実習では、現場の実習指導者の指導を受けながら一人の患者様を受け持って評価・訓練を担当させて頂きます。
Q. 国家試験対策を教えてください。
A. 言語聴覚士の国家試験は毎年2月に実施されます。午前100問,午後100問,それぞれ2時間半で計5時間・200問の試験です。2年生ではまず100問・2時間半、3年生からは200問・5時間の模擬試験を受け、国家試験とはどういうものか知ること、また長時間の試験に慣れる体験をします。そして4年生になると、ほぼ毎月1回国家試験の模擬試験を受けます。担任が毎週面談を行って、模擬試験の結果を見ながら学習方法の個別指導を行っています。また夏休み以降、国家試験対策の特別講義や成績不振者を対象とした少人数指導などきめ細やかな指導を行うことを通して全国的にも高い合格率を維持しています。