市立中学校で中学校の教員をしています。専門教科は保健体育。現在は1年生のクラス担任をしており、毎日約35名ほどの生徒に囲まれて、にぎやかな日々を送っています。保健体育の授業や学級活動で、1日に3~5コマの授業が入っていることが多く、空き時間は、クラスの生徒たちの家庭学習ノート(宿題や日記など)のチェックをし、一人一人にコメントを書くなど、慌ただしく過ごしていることが多いですね。また、バレー部の顧問もしているので、朝や放課後の練習では部員たちと一緒に汗を流しています。



Professional
interview 03
Junior high school teacher
中学校教諭(保健体育)
大人へと成長してゆく彼らに、
“人として大切なこと”を伝えたい
Profile
藤井 翼さん
2016年 健康医療スポーツ学部 医療スポーツ学科
トレーナー・スポーツコース 卒業
※2019年度取材
- 勤務先:
- 船橋市立船橋中学校
- 取得資格:
- 中学校教諭一種免許状(保健体育)

01 現在の仕事について教えてください。
中学校教諭として、保健体育を担当。クラス担任やバレー部の顧問をしています。

なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?
サッカー部の顧問の先生に憧れた中学時代。その出会いが、“私の進む道”を指し示してくれました。
「先生」という職業を意識し始めたのは中学の頃です。所属していたサッカー部の顧問の先生がとても尊敬できる人で、憧れていたのです。技術面ももちろんですが、人柄が暖かい先生でした。指導一つひとつに愛情を感じる、気持ちのこもった教え方をしてくれる先生で、中学3年間は、仲間とともにサッカーに夢中になっていましたね。私自身は小学校2年生からサッカーを続けていて、「プロになりたい」という気持ちも持っていたのですが、「プロになれなかった時は、学校の先生になろう」と中学校を卒業する頃には決めていました。
実際に働いてみてどうですか?
子どもたちの反応をしっかり感じられる仕事で、毎日のように新しい学びがあります。
大学時代に机上で勉強していたことが、教室では“子供たちの反応”として、リアルに自分に返ってきます。予想もつかない反応があることも多く、そのたびに自分自身にも学びがあります。一筋縄ではいかない、人を相手にした教育の難しさを実感しつつも、手ごたえを感じる日々です。
授業・学級・部活だけではない教員の仕事。現場で学んだことをしっかり身につけて、信頼される先生へ。
現代において、生徒をとりまく環境も様々です。一人一人の個性を尊重しつつ、生徒の周辺環境に気を配ることなどは、現場で学び、つかんでいくべきことが多いと感じました。保護者のみなさんとのコミュニケーションも同様に、現場で学んでいくべきところがたくさんあります。例えば私は今年教員1年目なので、保護者の方も“クラス担任の経験の浅さ”に、不安を抱くこともあると思うのです。だからこそ、早い段階で信頼関係を築くことができるよう、保護者会などでしっかり対話し、気になる子がいれば、部活が終わった後に個別に電話をかけるなど、丁寧な対応を心がけています。

この仕事のやりがいは?
子どもたちの成長を手助けし、その瞬間に立ち合えることがやりがいです。
4月から中学教諭として働き始め、まだ少ししか経っていませんが、この4か月で生徒たちは確実に成長しています。その成長を手助けできること、成長に立ち会えることが、私の思うこの仕事のやりがいです。例えば1年生では、入学してからの4か月で、挨拶をしっかり行うことができるようになった、体を動かすことが好きになったなど、どんどん変化、成長してきました。これからも、その成長を一緒に喜び、さらに伸ばしていきたいと思っています。
大人へと成長していく子どもたちが、自分自身の力でしっかりと前に進んでいけるように。
教師として、私は、運動の万能な子どもをたくさん育成することや、全国大会に出場することなどを目標にはしていません。言い方が難しいのですが、どの場面においても「子どもたちが、いい大人になれるように」という指針を持って、指導に取り組んでいます。
「いい大人」とは、社会に出てしっかりと自分自身の力で生きていける人であり、挨拶ができる人であり、守るべきルールや規律を守ることのできる人です。よく生徒たちに、「多少運動ができなくても、勉強ができなくてもいいから、人を思いやれることのほうが重要」と言っているのですが、これからも、子どもたちが自分の人間性を磨いていけるように、語りかけていきたいです。

02 どんな学生時代を過ごされていましたか?
「THU」の総合型地域スポーツクラブ「帝京平成スポーツアカデミー」で、「親子の体づくり教室」の立ち上げに力を注ぎました。
「THU」には「帝京平成スポーツアカデミー」という、教職員と地域住民が一緒に運営しているスポーツクラブ活動があります。拠点となるのは、千葉&ちはら台キャンパス。子どもから大人まで参加できる多種多様なプログラムがある中、私は「親子で楽しむ体づくり教室」を、在学中に立ち上げました。学生スタッフの代表として、同学科の8名のメンバーとともに、講師としてプログラムの企画、運営、広報活動まで実施。クラブの運営・経営は初めてのことづくしで、活動が軌道にのるまでに時間がかかりましたが、多くの方の協力のもと教室を開くことができました。現在も続いているこのクラブの設立や運営に奮闘した日々は、忘れられない思い出です。また、ここで得たチームづくりやチーム運営の経験、子どもへの指導経験は、間違いなく今に生きていると感じます。

資格取得への道のりについて教えてください。
キャリア支援室で指導をしてもらった、教員採用試験の「集団面接」や「集団討論」。
教員採用試験では、筆記試験はもちろん、模擬授業・集団面接・集団討論などが行われます。その対策として、模擬授業については授業で、集団面接、集団討論についてはキャリア支援室の指導を受けて練習していました。特に、教育的なテーマに沿って行われる、約20分間の集団討論にはコツが必要。時間内で自分の意見を主張しつつも、相手の意見に耳を傾け、協調性を持った進め方をしなくてはなりません。キャリア支援室の指導では、そういった技術を磨くことができました。
03 受験生へのメッセージをお願いします。
「THU」は、「やりたいこと」を明確に持っていれば、未来の自分を支えてくれる体験を、たくさんできる場所です。
「THU」は比較的、自分で様々なことを選択できる大学だと思います。私が帝京平成スポーツアカデミーの活動に打ち込んだように、何かに実践的に取り組むことができる環境があります。だからこそ、なんとなくではなく、「こんなことをやってみたい」という意思を持って大学生活を送るといいのではないでしょうか。それだけで、4年間の充実度が確実に違ってくるはずです。
これから大学を選び、勉強を重ねるみなさんも、ぜひ、「大学に入学する」という目的の先に、夢を持っていてほしいと思います。そして、なりたい自分になるために、大学4年間をどう過ごすかを自分自身で選択し、より充実した大学生活を送ってほしいと思います。

1日のスケジュール
- 6:00
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起床
- 6:30
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出勤
- 7:00
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バレー部 朝練指導
- 8:20
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朝の会
- 8:45
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授業開始
一日約3コマ担当
- 16:00
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部活指導
夏季 18:30まで / 冬季 17:00まで
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その後、授業準備などをして退勤
4年間の学びの流れ
- 1年次
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指導者としての基礎となる教養を中心に学びます。教育学、健康、スポーツ学まで幅広い分野の知識を座学で身につけ、スキー実習やキャンプ実習などにも取り組みます。
- 2年次
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トレーニング科学やスポーツ指導論、スポーツ栄養学などの専門科目が増え、アスレチックトレーナー現場実習など、実習時間も増えてきます。
- 3年次
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アスレチックトレーナー現場実習、スポーツ現場実習などに取り組み、専門的な知識、実務内容への理解を深めていきます。教育実習に向けては、模擬授業で指導力強化に努めました。
- 4年次
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アスレチックトレーナーや、教諭免許状などの取得にむけた学びを重ねていきます。教育実習は約3週間。学習指導案作成や模擬授業などの事前指導も受けました。
[学外実習]教育実習、アスレチックトレーナー現場実習