石川 友美さん
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interview
02

Occupational Therapist

作業療法士

患者さんを、よりよい生活につなぐ
笑顔あふれるリハビリを

Profile

石川 友美さん

2017年 健康メディカル学部 作業療法学科 卒業
※2019年度取材

勤務先:
山田記念病院(両国)
取得資格:
作業療法士
患者さんの身体機能回復を目的とした、リハビリテーションを行っています。

01 現在の仕事について教えてください。

患者さんの身体機能回復を目的とした、リハビリテーションを行っています。

作業療法士の仕事は、手芸や工作、その他種々の作業を通して、患者さんの身体機能や精神機能の改善・回復を図ることです。作業内容は、紙を切る、リンゴの皮をむく、カップを重ねるなど様々。患者さんの病気や症状に合わせて、作業内容を企画し、病院内の作業療法室で、入院中・通院中の方に対して、リハビリテーションを行います。また、長期入院中の方などは季節や暦の感覚がわかりづらくなってしまうもの。だからこそ、作業療法室に季節感を取り入れるなど、作業環境を工夫し、病院内と外の世界をつなぐことも大切な仕事の一つです。

病院で見かけたリハビリ風景に興味を持ち、見学させてもらったことがきっかけです。

なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?

病院で見かけたリハビリ風景に興味を持ち、見学させてもらったことがきっかけです。

母が医療関係の仕事をしていたので、もともと医療の仕事には興味がありました。でも、“作業療法士”を意識し始めたのは、母の勤務していた病院で、そのリハビリの様子を見かけてからです。「面白そう」と思い見てはいましたが、手先を使ったその作業が、リハビリだとは思いませんでした。その後、母から「あれは作業を通してリハビリをしているんだ」と教えてもらい、実際に見学させてもらうことに。それがきっかけで、作業療法士を目指そうと思いました。

実際に働いてみてどうですか?

身体機能の回復を目指すだけでなく、患者さんと社会・家庭をつなぐ仕事でした。

退院を目指す患者さんに対して作業療法士が行う仕事は、リハビリだけではありません。もう一つ、“自宅環境の整備などを相談する”という重要な仕事もあります。例えば、どんなサポートが必要かを家族の方にお伝えし、階段の手すりをどうするかなどを相談。退院後の生活を見据えて、患者さんが自宅でスムーズに暮らしていけるようお手伝いをしていきます。
実際に働く前は、ここまで家族と関わっていく仕事だとは想像していませんでした。でも、患者さんはこの作業療法室から自宅へ戻り、生活をしていきます。だからこそ、社会と患者さんをよりよくつなげられるよう、様々なサポートが必要なのだと実感しています。

実習では見えなかった、“障害受容”の壁にも向き合っています。

大学時の臨床実習ではリアルな現場体験をすることができましたが、そこではまだ見えていなかったのが、“障害受容”という課題です。急性期(急激に健康がそこなわれてしまった状態)の治療を行うこの病院では、自身の体の障害を受け入れられず、リハビリに取り組むまでに時間がかかる方も珍しくありません。そこで必要なのは、とにかく話をすること。患者さんの話を聞き、リハビリの必要性や期待される効果をしっかり伝えます。ときに「疲れた…」とリハビリに来なくなってしまう方もいますし、こうしたコミュニケーションをとりながら、機能訓練にしっかり向き合える状態を作ることがとても大切な仕事だと、今、改めて感じています。

この仕事のやりがいは?

少しでも患者さんの“できることが増える”ことが最大の喜びです。

ここで働いていると、自宅に帰りたくても帰れない人もいるという現実が見えてきます。そのなかで、退院できる人がいたり、状態がよくなったという人がいれば、それはとてもうれしいこと。それを原動力に頑張ることができているように思います。以前、「ここまでよくなったのは、あなたのおかげよ。」と言ってくれた方がいて、その笑顔には励まされました。また、退院した後に、「今は何不自由なく生活できているのよ」と報告に来てくれる方も。こちらも「どうしてるかなぁ」と気になっていたりするので、とてもうれしかったです。

池袋キャンパスのサークル仲間同士、情報交換などをしながら一緒に勉強しました。

02 どんな学生時代を過ごされていましたか?

池袋キャンパスのサークル仲間同士、情報交換などをしながら一緒に勉強しました。

スノーボードのサークルに所属していたので、冬はよくサークルメンバーで雪山に行っていました。勉強が常に忙しかったので、とてもよい息抜きでしたね。サークルメンバーのほとんどは、池袋キャンパスの学生。大多数が医療関係の資格を目指して勉強中だったので、違う学部でも情報を交換したり、わからない科目を教え合ったりしていました。サークル仲間は、今でも会うことがあるのですが、一緒に国家試験を乗り切った、本当によい仲間です。

初めて社会に出る経験をした、臨床実習の2か月間は忘れられません。

4年次、病院での臨床実習が2か月間2ヶ所でありました。大学から一人きりで病院に送り出されるので、不安でいっぱいでしたね。初めて担当患者さんを持ち、作業計画を立てたり、リハビリをしたり、毎日その内容をレポートに書いていくので、本当に忙しく、学ぶことがたくさんありました。あっという間の実習期間、苦しくもありましたが、とても充実していて、「大学で学んでいることが現場にすべてつながっていくんだ」と学んだ貴重な時間でした。

人体の仕組みから学び、次第に実習が多くなり、4年次は2か月×2ヶ所の病院実習へ。

資格取得への道のりについて教えてください。

人体の仕組みから学び、次第に実習が多くなり、4年次は2か月×2ヶ所の病院実習へ。

1年次は座学が多く、人体の仕組み・構造などを総合的に学びます。学外実習としては3日間ほどの見学実習があり、早くから現場を知ることができました。その後、2年次にはより専門的な内容を学び、学外の臨床実習にも2週間ほど参加。そして、3年次は4年次の臨床実習に向けて準備を進め、4年次は病院実習2か月を2ヶ所で行います。国家試験に向けては、3年次から図書室で毎日勉強するなど、クラスメイトと一緒に取り組みました。そのときのメンバーは皆、同じような職場に就いたので、今でも勉強会で会ったり、一緒に食事に出かけたりしています。それぞれの活躍を聞いて、「私も頑張ろう」と思えるので、とても励みになりますね。

03 受験生へのメッセージをお願いします。

技術を磨くため、資格を取得するための環境も人材も整っています!

帝京平成大学に入学し、とてもよい環境で勉強することができたと思っています。例えば、実技練習をするために練習室を貸してくれたり、わからないことがあれば、図書室に行けばあらゆる文献がそろっていたり、とにかく勉強するための環境が整っていました。また、先生方のサポートも的確で、どんな悩みにもちゃんと答えてくれる方がたくさんいました。今でも大学の先生と話す機会がありますし、そのつながりは生きていて、とても心強いです。

たくさんの人と出会い、たくさんの経験を積むことが、現場で生きてきます。

リハビリの際に大切なのは、患者さんには楽しんで作業に取り組んでもらうことです。楽しみがなければ、リハビリを続けることができません。そこで重要なのは、その人にとっての“楽しみ”を見つけること。人によって、楽しみには違いがあります。だからこそ、話を聞き、その人の歴史を知ることで、それを発見することができるのです。以前、どうしてもリハビリに来なくなってしまう人がいたのですが、その方の趣味が、「ピアノ」であったことを知り、作業に“ピアノ”を取り入れたところ、とても楽しそうにリハビリに取り組んでくれました。
このように、この仕事にはコミュニケーション能力が必要不可欠。ぜひ学生時代に、たくさんの人と関わり、そのときにしかできないことを経験してきてください。それがきっと仕事で役に立つ日が来るはずです。

1日のスケジュール

1日のスケジュール

08:30

朝礼

ホワイトボードの記入など、作業療法室を整える。

09:00

リハビリスタート

12:00

病院の食堂で食事

カルテの記入・チェックなど。

12:30

リハビリ

カルテの記入など事務作業。

18:00

院内外の勉強会などがあれば参加

ない場合は、同僚と食事に行くなどして、帰宅。

4年間の学びの流れ

1年次

座学で基礎科目を中心に学び、作業療法学の基礎実習も早くから実施。

学外:臨床実習(見学実習)3日間×2領域

2年次

専門基礎科目とともに、身体障害・精神障害などの作業療法を学んでいく。

学外:臨床実習(評価実習)2週間×2領域

3年次

4年次の臨床実習に向け、専門知識及び作業療法技術を身につける。
問題発見・解決型学修により、プレゼンテーション能力も養う。

4年次

総合臨床実習を実施。病院でのリアルな実習により、即戦力となる人材を養成。国家試験対策に励む。

学外:臨床実習(総合臨床実習) 2か月間×2領域