塩澤 綾子さん
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塩澤 綾子さん塩澤 綾子さん

Professional
interview
04

Care worker

ケアワーカー

この場所が、利用者の皆さんの
心地よい“居場所”であるように

Profile

塩澤 綾子さん

2015年 現代ライフ学部(※) 人間文化学科 社会福祉コース 卒業
(※現:人文社会学部 人間文化学科 福祉コース)
※2019年度取材

勤務先:
社会福祉法人 浴風会 養護老人ホーム 浴風園
取得資格:
社会福祉士、社会福祉主事任用資格など
日々の暮らしを安心して送ることができるよう、一人ひとりに合わせた生活支援をしています。

01 現在の仕事について教えてください。

日々の暮らしを安心して送ることができるよう、一人ひとりに合わせた生活支援をしています。

ここは養護老人ホームなので、介護が必要な方から健康な方まで、様々な利用者の方がいらっしゃいます。そのなかで、それぞれ状態に合わせたサポートをし、安心して生活していただけるようにすることが私たちケアワーカーの仕事です。具体的な仕事内容には、食事・入浴・排せつ・洗濯・服薬・塗布薬の支援など。その他、レクリエーション(運動やカラオケなど)、季節の行事の企画・準備・運営など、ここでの生活を楽しみ、日々をいきいきと過ごしていただけるようサポートしています。

聾学校の子どもたちと、手話でコミュニケーションを取ったことがきっかけです。

なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?

聾学校の子どもたちと、手話でコミュニケーションを取ったことがきっかけです。

小学生のとき、児童館のイベントで、聾学校に通う同世代の子どもたちと一緒に、写真のワークショップに参加する機会がありました。事前に児童館の先生から、「ありがとう」などの簡単な手話は教えてもらっていたものの、どんなふうにコミュニケーションを取ればよいのか、最初は少し不安に。しかし、ワークショップが始まると、身振り手振りで意思を伝え合い、自然と一緒に笑顔になることができたのです。聾学校の子たちの太鼓演奏もあったのですが、振動などの合図でとても上手に演奏を楽しんでいました。このとき気づいたのは、彼らは耳が聞こえなくても「自分と変わらないこと」。そして、彼らとつながることのできる「手話」の面白さでした。この経験から、私は手話を使ったり、支援が必要な人を助ける仕事がしたいと思うようになったのです。

実際に働いてみてどうですか?

ここでの仕事は介護ではなく生活支援。声がけやコミュニケーションがとても大切だと実感します。

高齢者を対象とした施設で働くので、特別養護老人ホームではないとはいえ、仕事の内容は介護が多くなるのかと思っていました。しかし、実際には日々の生活支援が中心。働き始めたころは、そのことにまず驚きましたね。また、仕事をしていくなかで、支援をしつつ、「はじめますよ」、「調子はどうですか?」と声がけすることで、スムーズに心地よくサポートができるのだと改めて実感しました。年齢を重ねると、記憶があいまいになることもありますが、そのなかで信頼関係を築くためには、こういったコミュニケーションがとても重要です。THUは1年次から、コミュニケーションや自己覚知(他者との円滑な交流、関わりのために「自分がどんな人なのか」を確かめること)の授業をしっかり行います。それはまさに実学。今、私の仕事にとても役立っています。
※特別養護老人ホーム(入所には要介護認定が必要)

「できることには手を出さない」が、「できる」を維持する鍵になります。

もう一つ、この仕事で大切なことは「支援しすぎないこと」。本人が「できること」までサポートしていると、次第にそれは「できないこと」になってしまいます。支援によって、今、持っている力を衰えさせることがあってはいけません。例えば、鍵の開閉が難しい方に、私たちがするべき支援は、鍵穴に鍵を当てるところまで。その方が鍵を差し込んで回すことができるのであれば、代わりに鍵を開けないようにしています。これは、入所してすぐに先輩に指摘をされて気がついた、現場でしか気づくことのできないとても大切なこと。今は、一人ひとりの「自分でできるライン」を見極めつつ、支援をしていくように心がけています。

この仕事のやりがいは?

利用者の方の「ありがとう」や「あなたの笑顔に癒されるわ」という言葉、笑顔にやりがいを感じます。

利用者の方に喜んでもらえたとき、「ありがとう」と言ってもらえたとき、笑顔が見られたときには、やりがいを感じます。また、私はずっと手話が好きで、手話に力をいれてきたこともあり、それを活かして、利用者の方とコミュニケーションを取ることができたときは、本当にうれしかったですね。以前、耳の不自由な方が入所された際に、手話で話かけてみると「あなた、手話ができるの?」と、とてもうれしそうな顔をしてくださって。その笑顔がとても印象的で忘れられません。

学会発表やボランティア活動などに積極的に参加した、盛りだくさんな4年間。

02 どんな学生時代を過ごされていましたか?

学会発表やボランティア活動などに積極的に参加した、盛りだくさんな4年間。

勉強もアルバイトも、ボランティア活動も、自分の学びにつながりそうなこと、興味のあることは、どんどん挑戦しました。学外の活動では、数名の仲間たちと一緒に福祉関連の学会に出席して、学会発表を行ったことも。4年次は、学会発表の準備をしつつ就職活動をし、さらに資格取得の勉強をしていたので目の回るような忙しさ。へとへとになることもありましたが、とても充実していました。
また、飲食店でのアルバイトや、ボランティア(活動)として母校の中学校での学習支援や都内の中学校での不登校支援などを経験。様々な人とコミュニケーションをとる力を、磨くことができたのではと思っています。

社会福祉士、スクールソーシャルワーカーの学外実習に参加。この仕事の楽しさとやりがいを感じた瞬間がありました。

資格取得への道のりについて教えてください。

社会福祉士、スクールソーシャルワーカーの学外実習に参加。この仕事の楽しさとやりがいを感じた瞬間がありました。

社会福祉士の資格取得を目指しつつ、スクールソーシャルワークの勉強にも力を注いでいました。3年次は社会福祉実習、4年次にはスクールソーシャルワーク実習に参加。特に印象深かったのは、スクールソーシャルワーク実習で、現状課題に対し、社会資源での解決策がなければ、自分たちで解決策を考え、作ることができると実感できたこと。そこに福祉の仕事の面白みを見つけ、とても前向きな気持ちになることができました。
国家試験への勉強は、4年次の学外実習や学会発表が終わってから、本格的にスタート。大学の図書室や地元の施設などを利用して一人で勉強をすることが多かったのですが、苦手教科などは友人たちと一緒に取り組みました。

03 受験生へのメッセージをお願いします。

THUは、自分の挑戦の幅を広げ、大切な恩師や友人に出会うことができる場所です。

私は、「大学4年間でできることは、全部やってみよう!」という気持ちでTHUに入学しました。周囲にも同じように社会福祉士の勉強をしつつ、学芸員の資格取得を目指したり、他学科の科目を履修したり、多少ハードでもチャレンジする人たちがたくさんいて、いい刺激をもらうことができました。今でも大学時代の友達とよく会いますし、先生とも連絡を取り合っています。THUの先生方は、1聞くと10返答してくれる方ばかり。皆さんも、頼れる恩師や、励まし合い、刺激し合える友に出会い、自分の可能性を広げる4年間を過ごしてください。

1日のスケジュール

1日のスケジュール

08:30

出勤

08:45

申送り(夜勤者、看護師、相談員からの引継ぎ)

09:15

フロア支援
レクリエーションサポートなど

11:20

食堂送迎 食後の送迎、食事の見守りなど

12:30

休憩

13:30

入浴サポートなど

16:00

申送り(夜間担当への引継ぎ)

16:30

排せつ支援など

17:00

食堂送迎

17:30

退勤

夜勤、早番、遅番あり

4年間の学びの流れ

1年次

一般教養を学びつつ、社会学・法学・心理学など福祉の基礎となる科目を学ぶ。

2年次

福祉専門科目を本格的に学び始め、実習もスタート。福祉施設での実習もあり、早くから現場を知り、進路を考え始める。

学外:福祉施設実習(約7日間)

3年次

演習や実習に力を注ぎ、専門知識・技術の修得に努める。長期の外部実習により、福祉の現場を体験し、進路やどの資格を取得するかについて考える。

学外:社会福祉実習(180時間以上)、精神保健福祉援助実習(210時間以上)

4年次

社会福祉士・精神保健福祉士、スクールソーシャルワーカーなどの学修を深め、国家試験・資格取得試験の準備や、卒業研究を進める。

学外:スクールソーシャルワーク実習