高畠 尚平さん
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Medical Engineer

臨床工学技士

医療機器のスペシャリストとして
治療を支えていきたい

Profile

高畠 尚平さん

2015年 健康メディカル学部 医療科学科
臨床工学コース 卒業

勤務先:
東京ベイ・浦安市川医療センター
取得資格:
臨床工学技士、第二種ME技術者
臨床工学技士として、医療機器分野から治療に携わる仕事をしています。

01 現在の仕事について教えてください。

臨床工学技士として、医療機器分野から治療に携わる仕事をしています。

医療機器の保守点検・管理・操作を担当する臨床工学技士として病院で働いています。主に人工透析や心臓カテーテルなど医療機器を使った治療、そして腹腔鏡手術をはじめとする様々な手術において医師や看護師と連携して治療に携わります。あまり名前が知られている職業ではありませんが、簡単に言うと医療機器の専門家。皆さんがよく病院で目にする血圧計や人工呼吸器、AEDなど様々な機器の管理・操作・メンテナンスを担当し、いつでも安全な状態で使えるようにしておくのが私たちの仕事です。

なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?

“機械いじりが好きな自分”を医療業界で活かせるのかもしれないと思い、進路を決めました。

母が看護師だということもあり、医療業界で働くことにはもともと興味がありました。それでも高校3年生ころまでは目指す職業を決め切れず……。いよいよ進路決定という時期に「自分に何ができるのか、どんな職業なら意欲的に取り組むことができるのか」を考え、ようやく出会ったのが臨床工学技士という仕事でした。もともと機械いじりが好きだったので、母から「ちょっと特殊な仕事だし、面白いかも」と紹介されて興味を持ったのです。医療人でありながらエンジニアであるところが、自分にとって魅力的でしたね。

幅広い治療に医療機器は必要不可欠なので、想像以上に目まぐるしい毎日です。

実際に働いてみてどうですか?

幅広い治療に医療機器は必要不可欠なので、想像以上に目まぐるしい毎日です。

当院の臨床工学室では、基本的には人工透析業務・カテーテル業務・手術室業務・機器管理業務を各メンバーが約2週間のローテ―ションで担当しています。しかし、急患が続けば担当でなくても手術室やICU・HCUに入ることも。それぞれの技士が協力しあって業務を行うので、スケジュールはその日によって変化していきます。目まぐるしい日もありますが、いつでも万全な状態で治療に臨むことができるよう臨床工学室のメンバーと連携して対応しています。

なにより医師や看護師との連携、コミュニケーションが大切な仕事でした。

医療現場において、私たちは医師・看護師・放射線技師など様々な人たちと一緒にチームで治療に携わります。チームワークのよさは、治療がスムーズに進むかどうかに影響するもの。だからこそ医療機器を準備・操作する私たちが、各人と綿密なコミュニケーションを取っていかなくてはなりません。特に急性期の患者さんを治療する際には、医師が次にどのような処置をし、どのような機器を必要とするか「先を読む力」も必要になります。よりスピーディーに治療が進むよう、次の展開を見極めつつ必要な機器を前もって準備しておくことが重要。私たちの仕事は機械に向き合うだけではなく、人にも向き合う仕事だと、働きはじめて改めて実感しています。

この仕事のやりがいは?

連携プレーによって治療が流れるように進行し、うまくいったときにはうれしくなります。

処置をしているなかで、チーム内の連携がスムーズに進み治療がうまくいったときには、「よし!」と思いますね。治療の手順は医師によって変わることもあるので、それを踏まえ先読みをして機器の準備をします。それが的中し流れるように治療が進むと、チームの一員としていい仕事ができたと、やりがいを感じます。私たちの仕事は患者さんが麻酔で眠っている間に処置をすることが多いので、患者さんと直接会話する機会は少ないのですが、治療によって回復に向かう姿を見られることは、とてもうれしいことです。

高校では文系だったので最初は授業についていくのに必死。友達に勉強を教わって自習し、グループ学修もしていました。

02 どんな学生時代を過ごされていましたか?

高校では文系だったので最初は授業についていくのに必死。友達に勉強を教わって自習し、グループ学修もしていました。

専門科目は理数系の内容が多く、文系出身の自分にはとにかく難解でした。追試になったこともありましたが、理系出身の友達に教えてもらいながらどうにか勉強のペースを掴み、2年次には成績も向上。授業後は必ず4~5名のメンバーと図書館などで勉強をしていましたね。黙々と机に向かうのではなく、ホワイトボードなどを使って疑問や課題を書き出しディスカッションしながら答えを見つけるスタイルが多かったです。人体構造・臓器・酵素・ホルモンなどの難しい課題についても会話しながら覚え、身につけました。そのときのメンバーは、臨床工学技士になった人もいれば企業に就職した人もいますが、今でもつながりがあって、今度キャンプに行こう、という話をしているところです。

充実した設備で、現場ですぐに活かすことのできる力や経験を積むことができました。

臨床工学技士は、医療機器を扱う仕事なので「いかにその機器のことを知っているか」が大切になります。その点でいうとTHUには、点滴などに使用する輸液ポンプやシリンジポンプをはじめ、透析機器や人工心肺などの機器もそろっていて、学内実習で実際に使うことができました。機械の仕組みや扱いなどに学生時代から慣れておくことができたのは、とてもありがたかったですね。
また、くわしく機器の仕組みを学ぶ治療機器学も今思うととても重要な学修でした。例えば、指先にクリップをつけて酸素量を測る機器も、酸素を測る仕組みが理解できているからこそ、ネイルの色や装飾に反応して数値が狂う原理がわかるのです。正確な対応をするには、機械の操作だけでなく原理を学ぶことが大切だったのだと実感しています。

第二種ME技術実力認定試験に挑戦したり、SA(スチューデントアシスタント)をしたりして、国家試験の準備を進めました。

資格取得への道のりについて教えてください。

第二種ME技術実力認定試験に挑戦したり、SA(スチューデントアシスタント)をしたりして、国家試験の準備を進めました。

4年次から授業でも本格的に国家試験対策が始まるのですが、その前哨戦として3年次に第二種ME技術実力認定試験(学会認定試験)に挑戦しました。また、3年次からSAとして後輩の授業に入りサポートをしていたことも、いい復習になったと感じます。そこで仲良くなった後輩を病院外の学会などで見かけると、みんな頑張っているのだなとうれしくなりますね。
ストレスがたまったときには、学内のジムで体を動かしていました。トレーナーコースの学生に筋トレ指導などをしてもらったりして楽しかったです。学内にこういった設備が整っているのはリフレッシュできてとてもいいと思いました。

03 受験生へのメッセージをお願いします。

THUの整った学修環境は、機器を扱う度胸と自ら学ぶ力を私に与えてくれました。

THUにはとても充実した学修環境があります。まず設備面においては、多様な機器で実習できるので、現場で臆せず機器を扱う度胸がつき、何より機器に慣れることができます。また、学生が自由に学ぶことができる環境が、図書館をはじめ様々な場所にあります。先生方の指導の仕方についても、「これをしなさい」と強制するものではなく、自分たちで学びたいことを学べるように導いてくれるものなので、自らの意欲を持ってしっかり勉強をすることができます。自主性を重んじ、のびのびと勉強できる環境・設備が整っているので、それを大いに利用して、ぜひ、自らを伸ばし成長していってください。

1日のスケジュール

1日のスケジュール

08:00

出勤

08:30

朝礼

08:45

透析・手術・カテーテル各担当別でのミーティング

08:55

患者さんの受け入れ開始

09:00

臨床業務開始

17:00

終礼(引継ぎなど)

19:00

退勤

4年間の学びの流れ

1年次

数学・基礎医学・機器工学など幅広く基礎的科目を学ぶ。専門科目には数学入門演習などもあり理系分野が多い。

2年次

専門科目で、生体機能代行装置や、医用治療機器学・生体計測装置学など医療機器についての学びを深める。

3年次

学内での実習時間が増え、専門科目を中心に実践的な技術を養うとともに、学会認定試験などにも挑戦する。

4年次

病院での臨床実習において実践能力を高め、学びを深める。国家試験に向けて対策を進める。

[学外実習]臨床実習(6週間)

東京ベイ・浦安市川医療センター 臨床工学室
(左から)室長 高橋 裕一さん、主任 鈴木 康浩さん

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東京ベイ・浦安市川医療センター 臨床工学室
(左から)室長 高橋 裕一さん、主任 鈴木 康浩さん

<室長 高橋 裕一さんより>
医療技術の向上や新たな医療機器の登場により、臨床工学技士の仕事の幅はどんどん拡大しています。以前は透析治療における業務がメインとなっていましたが、今ではカテーテルや内視鏡を使った治療に携わる機会が増えてきました。急性期の患者さんも多いこの病院では、より迅速で的確な治療が必要。医師との連携により治療をスムーズに進めるためには、正しく豊富な知識、そして現場での対応力が求められます。
高畠さんは、うちに秘めた積極性を持っている人。様々な分野に興味を持って業務に臨むことができているので、今後も経験をたくさん積んで、医療にどう機器が関われば最大の効果を発揮できるのかを常に考えられる技士になってください。

<主任 鈴木 康浩さんより>
近年、医療機器の進歩により、臨床工学技士の仕事は常に先進的な知識と技術の修得が必要となってきました。当院のメンバーたちも、常に学び続ける向上心、知識欲を持って業務に取り組んでいます。高畠さんの長所は学ぶ意欲はもちろん、何よりコミュニケーション能力が高いことです。医療現場では医師・看護師などを含めそれぞれの専門職が連携して治療を進める多職種連携が必要とされています。そこにおいて、この能力はとても大切。これからもその能力を病院でのチーム医療、そして患者さんとの信頼関係構築に活かしていってください。そして、後輩指導などにおいても活躍してほしいと思っています。