小学校のとき、初めてクッキーを作ったら家族が「美味しい!」と言って、たくさん食べてくれました。そのときの笑顔が忘れられなくて、“食”にまつわる仕事を目指そうと思いました。具体的に「栄養士」を目指すことを決めたのは、高校時代に体調を崩して管理栄養士の食事指導を受けたことがきっかけでした。そのころの私は、体調もメンタルも絶不調。そんな私に、管理栄養士の先生は検査結果を見ながら「この栄養素が足りないから、こんなものを意識して食べようか」とアドバイスをくれました。「これを食べてはダメ」ではなく「こういう物を食べたいなら、こっちを選んだほうがいい」など、食事の摂り方、選び方を教えてくれるような指導内容。最初は半信半疑でしたが、これに沿って食事をするうちに、自分でも体調がよくなっていくのを感じたのです。「ああ、体って、“食事”で作られているんだなぁ」と実感した貴重な経験でしたね。結果、だんだんと体調も回復し「栄養素についてももっと深く勉強したい」と思うようになりました。
Be a Registered dietitian
“食”から、皆の
健康と笑顔を作りたい
Profile
会田 みなみさん
- 健康メディカル学部 健康栄養学科 3年
- 成田高等学校出身
STORY 01 入学前
バランスが崩れた私の体を救ってくれたのが“食事”だったからです。
男女共学の環境で学ぶことで、男女の視点から“食”について考えられると思いました。
管理栄養士の資格を得るために学べる大学はたくさんありましたが、女子大が多く、男女共学の大学は少なかったのです。私のなかで“栄養学”は人の健康を支え、病気を治す学問。男女関係なく、両方の意見を聞くことのできる環境の方がよいように思いました。だからこそ、男女共学の帝京平成大学(以下、THU)を選択。学科にはやはり女子が多いですが、食事や健康に関する男子の意見もしっかり聞くことができるので、ここを選んでよかったと思っています。
STORY 02 入学後
人体構造や疾病など栄養以外に学ぶことが多く、この職業の奥深さに気づきました。
「THU」は実習が多く、手を動かして経験を積むことができる大学だとパンフレットに書いてあり、そこにメリットを感じて入学したのですが、それは本当でした。2年次前期は、週に4回も調理実習・実験があり、すべてにレポートが必要だったので、目の回るような忙しさ。また、生物や化学など理系教科の講義も多数あり、人体構造や疾病の成り立ちなど、臨床に関する勉強もしっかりあるので「栄養素や料理だけを学ぶわけじゃない」と実感しています。食事はもちろん、人の体についての正しい知識がないと“人の健康”をサポートする仕事はできないですよね。理系科目は苦手ですが、やはり好きなことを学んでいると楽しいので、頑張って克服したいと思います。
様々なバックグラウンドを持つ人との関わりが、私の世界を広げてくれています。
『THU』は都心の大学ということもあり、首都圏を中心に様々な地方から学生が集まっています。私は実家から片道約2時間かけて通学しているのですが、入学してから様々なバックグラウンドの人と関わるようになり、一気に視界が広がったような気がしました。これはクラス制によって人と密に関わらなくてはならない環境があるからなのかもしれません。個人主義ではなく、コミュニティを大切にしながら勉強を進められる環境。それが私自身を成長させてくれています。
今、取り組んでいる実習は100食以上を想定した大量調理。6名のメンバーと一緒に、食中毒予防の手順や様々な帳票などを確認しながら一気に調理を行います。こうした実習は、全員で意志疎通ができていないとできないので、社会性も自然と磨かれていくように思います。
カリキュラムに含まれているイベント出展で、学外からさらなる学びを。
現在、クラス一丸となって取り組んでいるのが「食育フェア」(2018年11月 代々木公園にて開催)へのブース出展です。企画から実施までクラス全員で行うのですが、クラスリーダーになった私は、意見をまとめるのにとても苦労しました。「みんなが納得して取り組める内容にしたい」と思っていたのですが、なかなかうまく行かず…。それでも、クラスメイトの協力でなんとか準備を進めています。出展内容は「3色食品群の紹介(キッズ向け)」と「適性体重から知る病気リスクと改善方法の紹介(成人向け)」。これまで学んだ内容をいかにわかりやすく来場者に伝えるかなど、学内の実習では学ぶことのできないことにチャレンジできてとてもやりがいがあります。
STORY 03 卒業後
“食べる”ことで、健康を支える仕事をしていきたいです。
人が生きていくために、“食べること”は欠かせません。でも意外と“食の大切さ”は、意識されていないもの。だからこそ乱れた食習慣によって、生活習慣病にかかる人が増えてきたのです。私はそれを予防するために、“食の大切さ”を伝えられる管理栄養士になりたいと思っています。言葉や知識として伝えるだけではなく、料理(メニュー)を提供・提案することで“食の大切さ”を伝えられるのが管理栄養士。例えば、忙しくて自炊できない方や高齢者の方が、手に取るお店の惣菜が栄養バランスの整った一品であれば、それは彼らの健康を支えることになります。まだまだどんな職場でどんな仕事をしたいかははっきり定まっていないのですが、そんなふうに将来、“人々の生活のなかに自然に深く入りこみ、食から健康をサポートする仕事”ができれば、と思っています。
障がい児童施設などで、食事から元気や安心を発信していきたいという夢も。
高校生のとき、障がい児童が通う小規模施設でボランティアをしたことがあるのですが、大学に入ってよくそのときのことを思い出すようになりました。そして、「私にとって、彼らと関わる時間がとても大事だったんだな」と気づいたのです。障害を持っている児童は、学校に馴染めなかったり、なかなか友達を作れなかったりすることがあります。そのなかで、彼らにとってその施設は仲間の集まる、安心できる居場所でした。数日間一緒に過ごしただけの私に心を開き、手をつないだり、離れがたいと態度で示してくれた彼ら。世のなかにたくさんいるこういった子どもたちの“安心できる場所”を私も作れたら、と思っています。そして、そのなかで“食から彼らの健康を支え、元気な笑顔を守っていけたら”という夢を持っています。
Campus Life
1日のスケジュール
- 07:00
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起床〜朝の支度
- 08:30
-
通学
自宅通学 片道 約2時間かけて通学
- 10:40
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授業
- 20:00
-
帰宅
食事・お風呂・勉強など
- 01:00
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就寝
Holiday
オープンキャンパスのアルバイト仲間である、池袋キャンパスの理学療法学科・言語聴覚学科・救急救命士コースの同級生と遊園地に行ってきました!
Teacher’s Voice
健康を“食”から支える管理栄養士を目指す、学生たちへ
管理栄養士の活躍の場は、病院などの臨床現場だけではなく、教育現場や企業の食品開発部門など、様々な所にあります。学生たちは臨地実習などを通じて、将来どんな場所で働くのかを選択していくのですが、どの場所においても大切なのは“食・栄養における正しい知識”と“食べる人への共感”だと考えます。どんな人がどんな思いでその食品を口にするのか、それを理解し、食事を提供・提案すること。それがあってこそ、“食による健康サポート”が叶うのではないでしょうか。
会田さんは、人の痛みに共感し、明るい笑顔で話しを聞いてあげられる人です。「食べられない」という悩みに対しても、その笑顔は救いになるはず。その明るさと素直さ、そして積極性があればどんな職場でも伸びていけます。ぜひ、そのままの会田さんで、これからも様々なことにチャレンジし、成功も失敗も経験しながら強く歩んでいってください。