福祉学を学ぶ、学生たちへ
福祉分野における活躍の場は多様です。障害がある、認知症があるということだけで、福祉の対象になるわけではありません。その時代のなかで、みんな色んな生活上の課題を抱えています。私たちも含め人は、その生活上の課題を周囲の資源(社会関係資本・ソーシャルキャピタル)を活用しながら解決し、広義で多様な一人ひとりが考える健康的な暮らしに向かおうとします。なかには、その資源をうまく活用できなかったり、その資源の存在を知らなかったり、その資源自体が存在しないということもあります。そういったとき、資源に繋ぎ、繋がりやすい仕組みづくりや、資源を開発するなど、一人ひとりが暮らしやすい健康的なまちづくり(ヘルスプロモーション)に関わることができるところに、やりがいを見出すことができると思います。
夢を叶えるのに重要な点は、福祉分野に限りませんが、今の社会に関心を持つこと、色んな人の人生に関心を持つこと、ひとつの物事について多様な価値観・視点・考え方に触れること、実践の世界と理論の世界を行き来することだと思います。それと時間軸の視点を持って、あのときの自分、あのときの自分を振り返った自分、あのときに振り返った自分を、今振り返った自分、そこにこれからの自分の課題を発見し、次のステップに踏み出すことが重要だと思います。
講義に臨む学生たちには、記録を大切にしてほしいと思います。講義形式にしても、グループワークなどの演習形式にしても、とにかく教員の発言、クラスメイトの発言、自らのコメントなど、言語として発せられたものをとにかくメモしてほしいです。メモした直後に気づくこともあるかもしれないし、3日後にメモをみて気づくことや、3か月後、1年後に気づくことがあるかもしれません。その時々だけで答え合わせするのではなく、答えを探し続けてほしい、そのために記録を大切にしてほしいと考えています。
川口さんは、周囲への気配りや色んなことに気づくことができる人物だと思います。非常に落ち着いて物事に向き合うことができ、程よく遊びの部分も持っているバランス感覚のある学生のように思います。短所ということではありませんが、さらに発信力を磨くと、将来素晴らしいリーダーシップを発揮するような予感がします。