幼いころから、「困っている人を助ける仕事につきたい」と考えていました。高校生のころ、兄が柔道整復師の仕事についた影響で、次第に「リハビリ」に興味を持つように。患者さんのリハビリ指導をし、訓練を重ねることで体の機能が回復したり、痛みがなくなって笑顔で生活できるようになる、そんな仕事っていいな、と思ったのです。スポーツが好きで体を動かす職業にも興味があり、理学療法士の職場見学にも行ってみたのですが、かなり体力が必要そう、私にできるだろうかと少し不安に。そんなとき、言語聴覚士という仕事があると知り、どんな仕事なのか調べるようになりました。ちょうどそのころ、吃音や失語症の方をテーマにしたTVドラマがスタートし、そのリハビリシーンを見て、“話すことをサポートする”言語聴覚士の仕事に大きな魅力を感じました。
思うように話すことができないということは、とてもつらいはずです。だからこそ、患者さんが自分の気持ちを少しでも相手に伝えられるように、話すことをサポートしたいと思いました。
Be a Speech Therapist
“伝わらないもどかしさ”を、
“伝わるよろこび”に変えていきたい
Profile
佐藤 渚流帆さん
- 健康メディカル学部 言語聴覚学科 3年
- 松戸市立松戸高等学校出身
STORY 01 入学前
話すことをサポートする言語聴覚士に、魅力を感じたからです。
明るい雰囲気・経験豊富な先生・アクセスしやすい都心のキャンパスが決め手です。
言語聴覚士になりたいと思ってからは、たくさんの学校のオープンキャンパスに参加しました。THUのオープンキャンパスはとても明るい雰囲気で、Photoコーナーでガイコツと一緒に写真を撮ると学食のデザート券がもらえるなど、楽しい企画が多かったことを覚えています。また、アリーナでの各学科の展示ブースを見学していたとき、先輩方から、言語聴覚学科で展示している検査用具の作成に関わった先生がTHUに在籍していると聞き、とても驚きました。
THUへ入学を決めたのは、経験豊富で実績のある先生方がいること、楽しい大学生活を送ることができそうな雰囲気、そして千葉の実家からも通いやすいアクセスのよさがあったからです。専門学校も視野にいれてはいたのですが、4年間かけて、その資格について深く学べることも、魅力的だと思いました。
STORY 02 入学後
どんどん難しくなる勉強と、増える課題&実習…。友達と励ましあって奮闘中です。
4年間じっくり勉強する時間があると思っていたのですが、覚えるべきことも多く、時間が足りないと感じることも……。専門分野以外にも、基礎医学など幅広い知識が必要で、学年が上がるごとに内容が難しくなり、実習も増え、忙しくなっていきます。特に、2年から3年に進級したばかりのころは、毎週出される課題に追われ、「ついていけるのかな?」と焦りました。別の大学に進学した地元の友人が、楽しくバイトやサークル活動をしている姿を見るとうらやましくなったりもしますが、「なりたい職業につくために、今頑張るべきときなんだ!」と言い聞かせて、仲間と一緒にふんばっています。同じ目標を持つクラスメイトとは、「私たちは、今、必死に勉強して、国家試験に一発合格しようね。絶対に夢を叶えて、笑おうね!」とよく励まし合っています。
対象となる症状が多く、食事やコミュニケーション、メンタル面でもサポートできる仕事でした。
言語聴覚士の仕事は、言語障害だけを対象としているわけではないと、大学の勉強を通じて知りました。発達や嚥下・聴覚の障害をはじめ、舌癌などの病気の影響など、患者さんは会話・食事・発声と様々な課題を抱えています。対象となる年齢層も、小さな子どもから高齢者まで幅広い患者さんと向き合っていかなくてはなりません。
入学前は、同じ障害を持つ方には同じ訓練を行っていくのだと思っていたのですが、それも大きな間違いでした。患者さんの症状の背景、環境などを考慮し、一人ひとりに合った指導、訓練をしていくことが必要。そのために、基礎医学や心理学も必要だとわかり、今は、一つひとつの科目の重要性を感じながら講義を受けています。
臨床現場で活躍する先生方の実体験に基づく指導や実習が、リアルで興味深い!
入学の決め手でもあった経験豊富な先生方の指導は、発見が多く、本当に勉強になります。例えば、実際のリハビリ現場の映像を見ながら指導法を学んだり、実例に基づいて患者さんの症状を設定、検査や診断予想を行うなど、教科書では学ぶことのできないリアルな学修を重ねることができています。
「マニュアルどおりにいかないことのほうが多いよ」と、先生方は多くの体験談を聞かせてくれるので、私たち学生は、いつも食い入るようにその話を聞いています。
先輩や他学部学生とつながることができる環境は、知識を深め、モチベーションUPにつながっています。
落ち込んだり、行き詰ったときに私を支えてくれるのは、クラスメイトや学部の先輩、そして、所属している野球サークルのメンバーです。このサークルは、池袋キャンパスの学生が中心となっているので、多くのメンバーが様々な医療系分野を勉強中。最近、実習でも「これからの医療現場では多職種連携が大切」と言われることが多く、専門外の用語などが飛び交うことがあるのですが、そんなときは、すぐに他学部のサークルメンバーに質問しています。他分野の内容を教えてくれるメンバーは、とても頼りになるのです。
THUのキャンパスには、医療系の資格取得に本気で挑もうとしている仲間が集まっていて、縦にも横にもつながれる環境があります。そのことは、勉強をしていくなかで大きな励みになっていると感じます。
STORY 03 卒業後
患者さんの気持ちをくみ取り、心を開いてもらえる言語聴覚士になりたいです。
言語聴覚士の仕事は、個室など、患者さんが自分のことを話してくれやすい環境下で実施されます。患者さんと向き合い、1対1でコミュニケーションを取りながら指導、リハビリを進めるので、その責任も重いはず。だからこそ、信頼してもらえるよう、やり取りの一つひとつに細心の注意を払っていきたいと思っています。そして、気持ちの表現が難しい患者さんの小さな変化や所作から、その“本音”をくみ取ることができる言語聴覚士になりたいです。
ただ、どうすれば、患者さんが心を開いてくれるのか、信頼してくれるのかは、まだまだ掴みきれていません。だからこそ、3年次(4週間)、4年次(8週間)で参加する臨床実習では、言語聴覚士の先生方から直接指導を受け、患者さんへの支援方法をしっかりと学んできたいと思っています。
Campus Life
1日のスケジュール
- 06:00
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起床
- 07:30
-
出発
自宅通学 片道 約45分かけて通学。
- 9:00
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授業
- 17:45
-
図書館で友達と勉強
- 21:30
-
帰宅
- 22:30
-
食事・お風呂・勉強など
- 24:30
-
就寝
Holiday
野球サークルでの一枚。
3か月に1度の試合では、全力で選手を応援&サポート。
声を出し、リフレッシュしています。
Teacher’s Voice
言語聴覚士を目指す、学生たちへ
言語聴覚士は、聴こえや言葉、食べることなど、生きていくうえで大切な能力の獲得、改善を支援します。だからこそその支援は難しく、少しでも改善へのサポートができたときには、大きなやりがいを感じます。仕事の範囲がとても広く、乳幼児から高齢者までを対象とし、さらに対象者をとりまく家庭・学校・職場などへの働きかけも行うからこそ、様々な人や価値観に向き合う柔軟な心と、相手の気持ちを聞き出す力を養っておかなくてはなりません。
佐藤さんは、高校生のころからこの仕事を目指し、THUで真摯に勉強に励んできました。そのなかで、言語聴覚士の仕事の幅広さや、求められる知識や技術の量に焦ることもあるでしょう。そういった過程で、模索しながらも、この仕事の楽しさや魅力に気づき、この仕事を好きになってほしいと思います。私たちはいつも、「未来の同僚を育てる気持ち」で指導・アドバイスをしています。ぜひ近い将来、言語聴覚士の仕事に誇りをもって、一緒に働いていきましょう。