Yukinori
Okabe
岡部 幸徳教授
人間文化学科 グローバルコミュニケーションコース
博士(経営学)。研究分野は経営学、科学教育・教育工学。英国レスター大学スクールオブビジネス客員教授。主に「経営倫理」、「科学技術者倫理」、「ケースメソッド教授法」を研究項目とする。現在は、連携研究者や研究協力者、海外共同研究者らとの共同作業で、経営倫理と技術者倫理の新しい統合倫理教育プログラムの構築に注力している。統合教育用の新たなケースメソッド教材も作成。
岡部 幸徳教授
人間文化学科 グローバルコミュニケーションコース
博士(経営学)。研究分野は経営学、科学教育・教育工学。英国レスター大学スクールオブビジネス客員教授。主に「経営倫理」、「科学技術者倫理」、「ケースメソッド教授法」を研究項目とする。現在は、連携研究者や研究協力者、海外共同研究者らとの共同作業で、経営倫理と技術者倫理の新しい統合倫理教育プログラムの構築に注力している。統合教育用の新たなケースメソッド教材も作成。
例えば、日本の高等教育機関における「技術者倫理」教育は、日本技術者教育認定機構によって義務付けられ、理工学系高等教育機関で開講されている。また、技術者教育に関する研究発表は毎年300以上。一方で、科目としての「経営倫理論」、もしくは「企業倫理論」「コンプライアンス論」の開講は高等教育機関では義務化されていない。つまり、「技術者倫理」教育と「経営倫理」教育の乖離が大きいのである。そのため、高い倫理観をもつ技術者が企業に就職すると、経営者や上司にその価値観を大きく揺さぶられ、自らの価値観と異なる方法で業務遂行を指示されるなどの軋轢が起こる可能性がある。
「こうした課題が、経営と技術者倫理の“統合教育プログラムモデル”の必要性を示すものであり、質保証がなされた“経営と技術者倫理の統合教育”の実施が急務だと言えるでしょう。私は、産学一体となった技術者倫理教育と経営倫理教育の統合型“標準講義モデル”の構築を目指して研究を行なっています」(岡部 幸徳 教授)
本研究は、岡部 教授が行なった基礎研究「我が国の技術者倫理と経営倫理教育の統合―統合教育モデルの構築」をスタート地点とし、その研究成果の精査と同調査がベースとなっている。現在は、「技術者倫理・経営倫理統合教育プログラムモデル」と、その「モデルシラバス」を「質保証」の観点から再作成することを目指し、研究を進行中。産業界での実態調査や欧米における事例調査など7つのステップが設定されている。多様な研究者との共同作業が必要となるため、連携研究者、研究協力者、海外研究協力者、ならびに企業や公的機関にも協力を得ている。
現在は、統合教育用の新たなケースメソッド教材を作成し終え、海外研究協力者との共有化を進めていく段階。しかし、コロナ禍の影響で研究進行が難しいため、ワクチン接種後の欧州との往来の再開が待たれている。
「今後は、技術者倫理、及び経営倫理という2つの新しい統合倫理教育プログラムで扱っている事例に関して、哲学倫理学分野における新たな研究分野である“行動倫理学”(善悪の判断の潜在的偏向性に関する研究)の観点からも、技術者倫理と経営倫理の相克、軋轢を分析解決する方法を探求していくことを考えています。「物事の本質を考え理解し行動するように努力し続ける。そのために分野を超えて学び続ける」という、私が研究において最も大切にしていることを忘れずに、今後も研究に取り組んでいきたいです。」(岡部 教授)