受験生の夏休みの過ごし方|進路選びや大学選びのヒント

コラム

受験生の夏休みの過ごし方 進路選びや大学選びのヒント

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受験生にとって夏休みは、「合否を左右する勝負の期間」となります。「具体的な受験対策を知りたい」「夏休みの勉強計画の立て方を教えてほしい」という人も多いのではないでしょうか。受験生の夏休みは、モチベーションを保ちつつ、自分で決めた達成目標を日々クリアしていくことがポイントです。

本記事では、夏休みに成績を伸ばすコツや、勉強計画の立て方、オープンキャンパスのメリットなど、わかりやすく解説します。限られた時間を有効活用し、悔いのない夏休みにしていきましょう。

受験生にとって夏休みが重要な理由

「なかなか勉強のやる気が起きない」という人はいませんか?ここでは、受験生にとって夏休みが重要な理由について解説します。

勉強に集中できる最後の長期休暇だから

高校3年生にとって夏休みは、入試前にまとまった時間を確保できる「最後の長期休暇」です。この夏をどう過ごすかで受験本番の手応えが大きく変わってくる、と言っても過言ではありません。特に、自分の弱点を集中的に対策でき、普段後回しにしていた勉強にも腰を据えて向き合えます。

また長期的な学習計画を立ててやるべきことをクリアしていくと、確かな自信につながります。夏休みに集中して取り組んだ分だけ、志望校合格に近づくでしょう。

基礎から応用までじっくり取り組められるから

学校がある時期は、授業や小テスト、行事などで、なかなか個別対策ができないことも多いと思います。夏休みは時間に余裕がある分、基礎の定着から応用問題まで取り組める期間でもあります。苦手な科目の復習や志望校対策など、自分のペースで勉強しやすいのが夏休みのメリットです。

またこれまでの模試をもとに、間違えた理由や、自分の弱点を分析して整理できる機会でもあります。自分に合った計画で勉強し、成績アップにつなげましょう。

志望校や併願校を検討できる時期だから

夏休みは、自分の進路を真剣に考えられるタイミングでもあります。特に7月と8月は、多くの大学でオープンキャンパスが開催される予定です。オープンキャンパスへ参加するメリットには、「今後の進路選びや学部選択の参考になる」「大学との相性を肌で確かめられる」という点があります。

たとえば、帝京平成大学のオープンキャンパスでは、模擬授業や実習への参加、個別相談などが可能です。学部ごとの特色や入試の仕組み、学生生活のリアルな声がわかります。

また併願校を考える時期も、夏休みがおすすめです。本命校だけでなく、併願先の候補も挙げておくと、気持ち的に余裕を持って受験に臨めます。可能であれば、併願校のオープンキャンパスにも参加しておくと安心です。夏休みの時間を活用して、いろんな大学や学部を見ておきましょう。

受験生が夏休みの間に成績をアップさせる5つのコツ

「長期休暇だから、その期間にがんばろうとは思っているけれど、何から始めればいいかわからない」と感じている人もいるでしょう。夏休みに志望校へ近づくには、いくつか方法があります。

ここからは、受験生が夏休みの間に成績をアップさせるコツについて解説していきます。

1. 基礎固めを徹底する

夏休みに成績を伸ばすには、基礎固めが欠かせません。基本的な知識が不足していると、いくら演習問題を解いても点数がアップしにくいです。

たとえば、英語の場合「英単語・英文法・発音/アクセント」が土台になります。「単語帳を使って1日20個ずつ覚える」「時制・助動詞の問題を復習する」といった対策が必要です。

また学力を伸ばすには、「自分は今どのレベルにいるのか?」という現状把握と、「どのレベルを目指すのか?」という目標設定が重要です。次のように、レベルを区切って進めていくと、達成感を感じながら勉強できます。

例:学習のレベル(英語)
レベル1
  • 英単語:英語→日本語がすぐに理解できる(英単語1000語)
  • 英文法:基礎的な文法(be動詞、一般動詞など)を理解している
  • 発音/アクセント:母音・子音の音の違い、音の消失や連結に気づける
レベル2
  • 英単語:長文に出てくる語彙を推測して読解できる(英単語2000語)
  • 英文法:関係代名詞、仮定法など、中級文法がわかる
  • 発音/アクセント:単語の強勢位置、アクセントのパターンがわかる
レベル3
  • 英単語:日本語→英語でスぺルが正しく書ける(英単語2000語)
  • 英文法:品詞の働き、文型を理解した上で例文が作れる
  • 発音/アクセント:短い英文の聞き取りができる、文章のリズムやイントネーションを意識して音読できる
レベル4
  • 英単語:共通テスト~私立中堅レベルの語彙を文脈で理解できる(英単語2500語以上)
  • 英文法:英文法のテキストで7割以上の正答率を出せる
  • 発音/アクセント:英文音声の内容を聞き取り、要点をメモできる
レベル5
  • 英単語:専門的な語彙の意味までわかる(英単語2500語以上)
  • 英文法:難関大の記述式問題や英作文問題で文法を使いこなせる
  • 発音/アクセント:長文のリスニングや講義形式の英語を要約できる

参考:河合塾マナビス

夏休みの間で基礎を固め、確実な学力アップにつなげましょう。

2. 実践力を養う

入試本番に備えて、実践力を強化することも重要です。時間配分や問題の取捨選択など、夏休みの間に本番を想定した問題演習に取り組みましょう。具体的には、以下のような勉強法が効果的です。

方法 効果
過去問を時間を測って解く → 時間配分や解答スピードの感覚を養える
間違えた問題の原因を分析する → 自分の弱点やミスを把握できる
本番形式の模試を実践する → 緊張感・集中力を高める練習になる

特に記述式のある科目では、「書く力」も求められます。論理的に正しく解答する練習をしておくと、秋以降の模試や入試本番で落ち着いて対応できるでしょう。

3. 休憩や息抜きを忘れない

ずっと机に向かい続けても、疲れがたまると学習したことが頭に入りません。勉強の質を保つには、こまめな休憩や気分転換が必要です。集中力を長く保つために、次のようなリフレッシュ法を取り入れてみましょう。

 

  • 勉強の途中で散歩やストレッチ、軽い運動を取り入れる
  • 目を閉じて深呼吸する、瞑想する
  • 良い姿勢で勉強する
  • 「25分勉強+5分休憩」といった、ポモドーロ式の学習法を取り入れる
  • 「この問題集を3問だけ解く」のように、目標設定を小さくする
  • 質の良い睡眠を確保する
  • 炭水化物を控え、健康的な食事を心がける

参考:勉強の息抜きは何が効果的?集中力をより高めるために|開成ゼミナール

夏休みは長丁場だからこそ、セルフケアをしながら勉強していきましょう。

4. 集中できる環境で勉強する

勉強する際は、集中できる環境を見つける・作ることも重要です。「周囲の声が気になる」「誘惑が多い」という状況では集中が続かず、勉強効率も下がります。自分の部屋や図書館、自習室など、自分が集中できる場所を見つけましょう。

「電車やバスで英単語を覚える」「自宅では数学の問題演習をする」というように、勉強の内容ごとに場所を変えて取り組む方法もおすすめです。また机の上は、今取り組む問題集やノートなど、必要なものだけを置くようにしましょう。以下のように、視界に余計な情報を入れないよう工夫します。

  • スマホの電源を切る、スマホを別の部屋に置く
  • 使わない教材やマンガ類など、片付ける
  • 不要なプリント・やり終えた課題は整理、ファイリングする

長期で勉強に取り組むことのできる夏休みだからこそ、快適な学習環境が欠かせません。身の回りをスッキリさせ、やるべきことだけに集中できるよう整えていきましょう。

 

5. 勉強仲間をつくる

夏休みは自由な時間が多い分、気が緩みやすく、特に自習中は孤独を感じやすいものです。そんな時、勉強仲間の存在が支えになることがあります。「志望校合格」という同じ目標に向かって切磋琢磨すると、モチベーションが向上するでしょう。

また、「問題の解き方や暗記方法を教え合う」といった双方向の学習で理解が深まります。学校の自習室や塾で知り合った人に、軽く声をかけてみるのも良いスタートになります。刺激し合える存在を見つけ、夏の勉強をより充実したものにしていきましょう。

夏休みの受験勉強の計画を作るときのポイント

夏休みは時間がある分、計画的に勉強できれば成績アップが期待できます。もし無計画のまま勉強を進めると、「気づけば夏休みが終わっていた」ということにもなりかねません。限られた夏休みを最大限に活かすためにも、自分に合った現実的な学習計画を立てていきましょう。

ここでは、夏休みの受験勉強の計画を作るときのポイントについて解説していきます。

月・週・1日単位でやることを決める

まず、勉強のスケジュールを具体的に決めていきます。もし夏休みが「7月下旬から8月末まで」だった場合、「日数は約40日で、週は6週間」ということになります。

学習計画を立てる際はこの日数と週を意識しつつ、「月単位(夏休み全体)→週単位(1週目/6週)→1日単位」でやることを決めていきましょう。以下では、勉強計画の例(数学)を紹介します。

単位 例:やることの内容(数学)

月単位

(夏休み全体)

例:夏休み(30日+10日 = 40日間)でやること

  • 苦手な「確率」「三角関数」「ベクトル」を復習する
  • 6月に受けた模試をもう一回解き直して正答率を上げる
  • 〇〇大学の過去問を3年分解く

週単位

(1週目/6週)

例:7月28日~8月3日の週でやること

  • 月〜金曜

    → 青チャートIAで「場合の数」「確率」の例題と練習問題に取り組む
    → 三角関数の公式を覚え直す
    → わからないところは、〜先生に質問しにいく

  • 土曜:間違えた問題をやり直す
  • 日曜:模試形式でテストする

1日単位

例:8月1日にやること

  • 午前:青チャートIA「確率」の例題と演習を5ページ解く
  • 午後:三角関数の公式を覚え直してテストする、青チャートIIBで三角関数の問題を解く
  • 夜:今日ミスした内容を解き直す

上記のように、具体的に書き出すと行動に移しやすいです。もし「自分が立てた計画に自信が持てない」という場合は、学校や塾の先生に計画表を見せて相談するのもいいでしょう。

また一日の終わりに、「今日の進捗・達成」と「明日のタスク」を簡単に確認する方法もおすすめです。学習進捗の確認を習慣にすると、勉強意欲が続きやすいです。できる限り学習計画は細かく立て、すぐに課題に取り組めるよう準備していきましょう。

無理のない計画を立てる

夏休みはまとまった勉強時間が取れる分、「今日は1日10時間勉強する!」と気合を入れてしまいがちです。しかし最初からハードルを高くしすぎると継続しにくく、三日坊主になる可能性も高いです。そうなると、数日でモチベーションが下がってしまう場合もあります。

そのため、自分に合った学習計画を立てることが重要です。たとえば、「午前中は暗記」「午後は苦手科目の基礎固め」「夜は軽めの振り返り」といったように、勉強の内容や負荷にメリハリをつけます。さらに、息抜きの時間も入れておくと、勉強を無理なく続けられます。

また学習計画で不安なことや悩みがあれば、先生や友達にも相談してみましょう。客観的なアドバイスで、現実的で実行しやすい計画が見えてくるかもしれません。無理のない計画で、夏休みを乗り切りましょう。

定期的に進捗を確認する

計画を立てた後は、定期的に学習の進捗を確認しましょう。注意したいのが、計画が遅れたことで「自分はダメだ」というネガティブな考えを引きずらないことです。気持ちを切り替えながら、思うように進まなかった部分の原因と対策を考えていきましょう。分析後は、勉強内容やスケジュールを調整し、改善を図ります。

また、学習の進み具合を周期的に確かめると、早めの軌道修正が可能です。一日の振り返りでうまく進まなかった理由をノートに記録しておくと、スケジュールの改善に役立ちます。「計画 → 行動 → 振り返り → 修正」のサイクルで、有意義な夏休みにしていきましょう。

受験生が夏休みにオープンキャンパスへ参加する5つのメリット

「志望校選びに悩んでいる」「勉強へのやる気が出ない」という人は、オープンキャンパスへ参加しましょう。ここでは、受験生が夏休みにオープンキャンパスへ参加するメリットを紹介します。

1. 大学の雰囲気や大学周辺の環境がわかる

オープンキャンパスに参加するメリットの一つに、パンフレットやWebサイトだけではわからない、細かい情報を自分の目で確かめられる点があります。

キャンパスの雰囲気や授業の様子、設備の充実度などは、実際に行ってみないとよくわかりません。大学の立地や通学ルートも詳細に把握できるため、入学後のイメージギャップを防げます。入試本番も、一度行ったことのある大学であればスムーズにたどり着けるため安心です。

特に、志望校の選択で迷っている学生こそ、オープンキャンパスへの参加をおすすめします。「大学に行ってみたら印象が変わった!」というケースは意外にも多いです。夏休みを活用し、いろんな大学や学部・学科を見に行ってみましょう。

2. 入試制度や学部・学科の詳しい情報が得られる

オープンキャンパスに参加すると、大学の入試情報や、学部・学科ごとの特徴を直接知ることができます。大学の先生や在学生に相談すると、細かい情報収集が可能です。たとえば、次のようなことを確認できます。

  • 学部・学科で学べる内容
  • 取得できる資格
  • 卒業後の進路情報
  • 他学部との違い
  • 過去の出題傾向
  • 出願の注意点 など

入試制度は毎年変更する場合もあるため、最新情報の把握が欠かせません。また、「学部ごとの違いがわからない」「入試の仕組みが複雑で不安」という人は、オープンキャンパスに参加することで疑問を解消できるでしょう。

3. 大学の先生や先輩と交流できる

オープンキャンパスは、教授や在学生と直接話ができるチャンスです。たとえば大学の先生に、「学部・学科で求められるスキル」や「高校と大学の勉強の違い」など、さまざまなことを質問できます。

また在学生との交流では、「大学入学後の学生生活」や「入学してよかったこと」といったことを聞けます。そのため、「大学生活をより具体的にイメージしたい」という人は、オープンキャンパスが良い機会になるでしょう。交流・質問タイムがある際は、積極的に会話してみましょう。

4. 勉強意欲が向上する

ただ毎日勉強に励むだけだと、どうしてもやる気が低下しがちです。オープンキャンパスに参加すると、大学入学への気持ちが強くなり、日々の勉強にも自然と力が入るでしょう。

また在校生との関わりにより、「〇〇先輩みたいになりたい」という新しい目標が生まれ、勉強意欲が再び向上するかもしれません。受験勉強の目的・意味を改めて確認する意味でも、オープンキャンパスに参加してみましょう。

5. 他の受験生の動きがわかる

オープンキャンパスでは、積極的に質問している様子や、メモを一生懸命とる学生など、他の受験生の動きも確認できます。

特に夏休みは受験に本腰を入れる時期であるため、周囲も必死です。倦怠感が蔓延してきたときこそ、周りの受験生から刺激をもらい、勉強意欲を再び高めていきましょう。

帝京平成大学では、8月にオープンキャンパスを実施します!

夏休みは、勉強に集中できる期間であると同時に、自分の進路と向き合える時期でもあります。基礎固めや実践力の強化に加え、オープンキャンパスへの参加が勉強意欲を高めるきっかけになるでしょう。

帝京平成大学のオープンキャンパスでは、「キャンパスツアー」「実習体験」「模擬授業」などを実施しており、大学での学びや学生生活を深く知ることができます。また、個別相談や在学生との交流で、大学への疑問や悩みを解消いたします。

「どんな分野を目指したいかまだ悩んでいる」という方も、幅広い学部構成を持つ帝京平成大学で新しい発見があるでしょう。本校のオープンキャンパスは、8月に開催いたします。この夏、帝京平成大学へ足を運んでみてはいかがでしょうか。