薬剤師国家試験とは?概要から試験内容、合格率まで詳しく解説

コラム

薬剤師国家試験とは?概要から試験内容、合格率まで詳しく解説

幅広い専門知識をもって薬の開発や患者の薬物療法に携わる “薬剤師” になるには、薬剤師国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。

今回は、「薬剤師国家試験」について、概要から試験内容、合格率まで詳しくご紹介します。薬剤師を目指している方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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薬剤師国家試験とは

薬剤師国家試験は、毎年2月頃に実施される薬剤師になるために合格が必要な資格試験のことです。

試験では薬剤師に求められる倫理観・使命感や一般教養、さらに現場において必要とされる薬学の知識・技能・態度を体系的に修得されているかの確認として実施されます。
(参照:厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」)

ここからは、第107回薬剤師国家試験の内容をもとに、試験地や試験科目、そして受験資格などを解説します。

試験日程と試験地

薬剤師国家試験は年に一度、例年2月に行われます。第107回薬剤師国家試験(2022年)の試験日は、2月19日(土)・20日(日)で、前年の第106回は2月20日(土)、21日(日)に実施されました。

試験は北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県の9都道府県で実施され、各県に試験会場が設置されます。たとえば、第107回試験では北海道は北海道科学大学、宮城県は東北学院大学、そして東京は大正大学を初めとして9会場が設置されています。
※なお、地域によって複数の試験会場がある場合は受験票配布時に受験会場が通知されます。

試験科目と受験資格

薬剤師国家試験の試験問題は、薬剤師に不可欠な基本的資質や知識を確認する「必須問題」と、薬剤師が直面する一般的課題を解釈し解決するための資質を確認する「一般問題」に分けられます。それぞれの問題における試験科目は次のとおりです。

  1. 必須問題試験(90問)
    科目:物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務
  2. 一般問題試験(255問)
    一般問題はさらに「薬学理論問題」と「薬学実践問題」に区分されます。
    試験科目は必須問題と同様(理論問題では「実務」を除く)で、実践問題では実務単独問題、及び各科目と実務を組み合わせた複合問題が出題されます。

試験は2日間にわたって実施されます。第107回薬剤師国家試験(2022年)は、次のようなスケジュールで実施されました。

時間 問題区分・科目  
1日目 9:30〜11:00 必須問題試験
12:30〜15:00 一般問題試験:薬学理論問題
(物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理)
15:50〜17:45 一般問題試験:薬学理論問題
(薬理、薬剤、病態・薬物治療)
2日目 9:30〜11:35 一般問題試験:薬学実践問題
(【実務】× 物理・化学・生物、衛生)
13:00〜14:40 一般問題試験:薬学実践問題
(【実務】× 薬理、薬剤)
15:30〜18:00 一般問題試験:薬学実践問題
(実務、【実務】× 病態・薬物治療、法規・制度・倫理)

(参照:厚生労働省「第107回薬剤師国家試験試験会場(予定)及び試験時間等」)

またこれらの試験を受けるためには、次のような方法で受験資格を得る必要があります。

  1. 学校教育法に基づく大学において、6年制の薬学課程を修了し卒業する(卒業見込みを含む)
  2. 4年制の薬学課程を修了した後に大学院で修士/博士課程を修了し、厚生労働省の個別審査による認定を受ける

(他にも、外国の薬学校を卒業した方や外国で薬剤師免許を取得した方などについても、2と同様に個別に認定を受ければ受験資格が得られますが、6年制大学を卒業するルートが一般的です。)

薬剤師国家試験の結果

薬剤師国家試験の結果は、例年3月下旬に発表されます。ここからは、直近5年間の試験結果をご紹介します。

薬剤師国家試験の合格基準とは

薬剤師国家試験の合格基準は実施年度によって異なります。第107回薬剤師国家試験(2022年)については、次の3つを全て満たすことが合格の基準となりました。

  • 全問題の得点が434点以上(配点は1問2点で全345問、690点満点)
  • 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上
  • 禁忌肢問題選択数は2問以下

(参照:厚生労働省「第107回薬剤師国家試験の結果について」)

直近5年の受験者数、合格率の推移

直近5年間の受験者数と合格率は、以下のとおりです。

  第103回 第104回 第105回 第106回 第107回
受験者数 13,579 14,376 14,311 14,031 14,124
合格率 70.58% 70.91% 69.58% 68.66% 68.02%

(参照:厚生労働省「薬剤師国家試験の結果について」>第103回第104回第105回第106回第107回

薬剤師国家試験は、難化傾向にあると言われています。その背景には、6年制の教育が軸となり学習範囲や実務実習が増大したこと、図、グラフ、検査値など与えられた条件を読み解いて解を導く「思考する力」が求められていることなどがあります。

そのため、合格に向けて1年次から計画的に学習を進めるとともに、知識だけでなく実習において実践能力を身につけることがより重要になると言えます。

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薬学部の学生が学ぶ中野キャンパスには、調剤実習室や無菌調剤実習室、研究を行うための専門ラボや解析機器室などの施設が設けられており、最先端の設備や機器を使用して学ぶことができます。単なる知識の修得にとどまらず、実際に手を動かして深い理解や実践能力の獲得につなげやすい環境です。

1~4年次から手厚い国家試験対策を実施

帝京平成大学では、1年次から国家試験合格に向けたさまざまなサポートを実施しています。

  • 1年次〜4年次:独自の問題集を利用した自学・自習と、達成度を測る実力試験を組み合わせた学習を実施
  • 5年次:総括的な講義、国家試験過去問題への取り組み、実務実習を通した実務関連問題への理解促進を実施
  • 6年次:講義と模擬試験を中心とした対策講座を実施 また1〜6年次は担任制、4年次以降はチューター制の指導で、担任を含む複数の教員が学生一人ひとりの国家試験合格に向けて伴走します。

また1〜6年次は担任制、4年次以降はチューター制の指導で、担任を含む複数の教員が学生一人ひとりの国家試験合格に向けて伴走します。

入学者選抜(入試)のポイント

薬学部には、「学びたい」という意欲をサポートするための制度と入試の仕組みがあります。

経済的な面では「薬学部 特待生制度」を設け、総合型選抜・一般選抜において基準点以上の成績を収めた方に対し、6年間の授業料の一部もしくは全額を免除します。

※免除割合は、成績に応じた区分により30%・半額・全額の3段階で決定されます。
※2年次以降は学業成績によって継続の審査を行います。

また入試においては、次のような “挑戦しやすい仕組み” づくりを行っています。

  • ひとつの試験区分で薬学部を複数日受験した場合、合計点数の高い日を合否判定に使用
  • 総合型選抜では全国11試験場、一般選抜では全国9試験場で受験可能
  • 2教科受験の場合は得意科目で受験が可能(化学は必須。試験区分により受験科目数は異なります)

詳しくは「薬学部入学者選抜情報」からご確認ください。

まとめ

薬剤師になるために、合格が必須となる「薬剤師国家試験」。非常に幅広い領域の知識が問われる上、思考力や問題解決力が問われる問題の増加によって難易度も高まっていることから、1年次から計画的・体系的に知識や実践能力を身につけていく必要があります。

帝京平成大学では、担任制・チューター制によるきめ細やかな指導で、国家試験合格に向け徹底的にサポートを行っています。オープンキャンパスへのお申し込みや資料請求も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。